Arduino Nano

Arduino Nano に関する記事です。

Arduino Nano

Arduino Nano

Arduino Nano は...

MCU: Atmel ATmega328P (※古い製品には ATmega168 が使われている)
FLASH: 32KB
SRAM: 2KB
EEPROM: 1KB
CLOCK: 16MHz
OPERATING VOLTAGE: 5V
USB SERIAL: FTDI FT232RL

ボードサイズ	普通		小さい
書き込み装置	あり	なし	あり	なし
ATMega328P	Arduino Uno	Arduino Pro	Arduino Nano	Arduino Pro Mini Arduino Mini (05)
ATMega32U4	Arduino Leonardo	Arduino Leonardo (ピンソケット無し)	Arduino Micro Da Vinci 32U^*1	Pro Micro^*2

^{*1 Strawberry Linux 社の製品で正式な Arduino ではない。 *2 SparkFun 社の製品で正式な Arduino ではない。}

簡単に言えば小型化された Arduino Duemilanove です (Uno の小型化版ではない)。

購入

Arduino Nano の購入はオススメしません。

純正の Nano は割高
両面実装
互換機の殆どは USB<->シリアル変換のチップに CH340G を使っておりトラブルの元
FTDI の FT232RL を載せたものは高確率でチップが海賊版
ダイオードがよく燃える (燃えたらダイオードを交換するより互換機を買った方が安く付く事も多い)
互換機には Arduino ブートローダーが焼かれていないものがある
MiniUSB
Uno に比べ、使えるフラッシュメモリが少ない

"Pro Mini (Mini 05) + 書き込み装置" が Nano とほぼ同等でトラブルがありませんし、Pro Micro なら USB<->シリアルの問題も出ません。つまり、この製品を購入する必要があるケースというのは、

そこそこ小型 (あるいはブレッドボードに挿せる)
Uno との互換性が必要 (ATMega328P)
オンボードの USB<->シリアルでの書き込みが必要

...という割とニッチな用途となります。一応、商品リンクを貼っておきます。

Arduino Nano (スイッチサイエンス) [純正]
Arduino Nano (Amazon: スイッチサイエンス) [純正]
Arduino Nano (秋月電子) [純正]
What's Next Purple (Arduino Nano 互換機) (スイッチサイエンス)
What's Next Purple (Arduino Nano 互換機) (Amazon: スイッチサイエンス)
What's Next Purple (Arduino Nano 互換機) (秋月電子)
各社 Arduino Nano 互換品 - CH340G 搭載品 (Amazon) - オススメしません
サインスマート Arduino Nano 互換品 - FT232RL 搭載品 (SainSmart) - オススメしません
サインスマート Arduino Nano 互換品 - FT232RL 搭載品 (Amazon) - オススメしません
Arduino Nano 互換品 (eBay) - オススメしません

(互換品は) 問題を抱えている製品だと割り切って購入する分にはいいと思います...安いですし。また、USBasp をお持ちであれば、最悪でも I(C)SP 端子経由でスケッチを転送する事ができます。

各部詳細

A6(20) / A7(21) はアナログ入力専用です。四隅の穴は端子ではないのでピンヘッダをハンダ付けする際には注意が必要です。

セットアップ

オリジナルなら FT232RL のドライバ、コピー品なら多くは CH340 のドライバをインストールする必要があります。ボード裏の USB<->シリアルチップが何なのか確認してください。Windows 10 の場合にはドライバを自動検索すれば自動でインストールされると思います。うまくいけば Nano を接続した時にドライバを勝手にインストールしてくれます。

ボードは Arduino Nano を選択します。

Old Bootloader

2018/01 に新しいブートローダーが公開されました。書き込み時に avrdude: stk500_recv(): programmer is not responding のエラーが出る場合には [ツール | プロセッサ] で ATmega328P (Old Bootloader) を選択するか、[ツール | ボード] で Arduino/Genuino Uno を選択して書き込んでみてください。

新しいブートローダー/ボード定義の利点は以下の通りです:

スケッチの転送速度が向上する (57600 bps -> 115200 bps)
ウォッチドッグタイマ使用時に無限ループに入らない (参考)

互換機の場合、古いブートローダー (Old Bootloader) が書き込まれている場合があります。最新版の IDE に更新しブートローダーを最新のものに更新しておくといいでしょう。

新しいブートローダーを書き込んだ際のトラブルシューティング

古いブートローダー/ボード定義は 57600 bps、新しいブートローダー/ボード定義は 115200 bps で通信するため、新しいブートローダーを書き込んだ後でスケッチをアップロードできなくなる事があります (安い互換機等)。このような事態に陥った場合には以下のいずれかの方法を採る必要があります。

古いブートローダーに書き戻す

<Arduino IDE インストールフォルダ%gt;\hardware\arduino\avr にある boards.txt を以下のように書き換える

## Arduino Nano w/ ATmega328P
## --------------------------
nano.menu.cpu.atmega328=ATmega328P

nano.menu.cpu.atmega328.upload.maximum_size=30720
nano.menu.cpu.atmega328.upload.maximum_data_size=2048
nano.menu.cpu.atmega328.upload.speed=57600

nano.menu.cpu.atmega328.bootloader.low_fuses=0xFF
nano.menu.cpu.atmega328.bootloader.high_fuses=0xDA
nano.menu.cpu.atmega328.bootloader.extended_fuses=0xFD
nano.menu.cpu.atmega328.bootloader.file=optiboot/optiboot_atmega328.hex

いくら CH340 (あるいはその偽造品) であっても 115200 bps で書き込めない事はそうそうないと思うので、設定が間違っていないかをよく確認してみてください。

Nano のブートローダー/ボード定義の問題点

Nano のブートローダー/ボード定義では Uno に比べて使えるフラッシュメモリの量が少なく、Uno のスケッチが書き込めない事があります。例えば、Nano として空のスケッチを書き込むとこうなります。

[Nano として書き込んだ場合 (New / Old)]

最大30720バイトのフラッシュメモリのうち、スケッチが444バイト（1%）を使っています。
最大2048バイトのRAMのうち、グローバル変数が9バイト（0%）を使っていて、ローカル変数で2039バイト使うことができます。

[ツール | ボード] で Arduino/Genuino Uno を指定してスケッチを書き込むとこうなります。使えるフラッシュメモリが Nano よりも 1.5KB 程多いのが判ります。

[Uno として書き込んだ場合]

最大32256バイトのフラッシュメモリのうち、スケッチが444バイト（1%）を使っています。
最大2048バイトのRAMのうち、グローバル変数が9バイト（0%）を使っていて、ローカル変数で2039バイト使うことができます。

ブートローダーは Nano 用の新しいものか、Uno のものを書き込んでおくといいでしょう。