NEC PC-98x1

とりあえず、PC-98x1のパワーアップでもやりますか。


はじめに

 PC-98x1シリーズが国民機と呼ばれていたのも今は昔。現在では見る影もありません。当時僕にとっては「面白みのないマシン」でしたが、今となっては少々可哀想ではあります。AT互換機と互換性のないMS-DOSで動作する業務アプリは未だあちこちで稼動中なのですが、それだけのためにMS- DOSマシンを手元に置いておくのもヤなもんです...場所をとりますのでね。

 そして今年、2台のPC-98を入手しました(2002/07現在)。1台は「PC-9821Na7」そして「PC-9821Ra40」です。「PC-9821Na7」はノートパソコンで拡張性は皆無です。こちらは出先で使えるMS-DOSマシンとして使われています。「PC-9821Ra40」こちらはいじり甲斐があります。その気になれば現役マシンとして使えるのですから...。


「現役で使える」PC-98とは?

  色々なPC-98がありますが、現役で使うとなると拡張性が問題になります。ノートは拡張機器の殆どが今となっては入手できません。PC- 98シリーズのCバス(汎用スロット)は16ビットバスですから、このスロットが空いていても、あまりメリットはありません。勿論、過去の資産で計測機器等を繋げなくてはならない場合は別です。PCカードスロットのある機種(デスクトップ)もありますが、こちらもCardBusには対応していませんので、メモリカードの読み書き程度にしか使えません。PCIバスが付いていて、CPUのアップグレード手段が残されている機種がいいでしょう。

 Windows2000がストレスなく動作すれば「現役で使える」と言えると思います。MS-DOSさえ動けばいいのであればこの限りではありませんが。


PC-9821Ra40

  現行のPC-98シリーズは「PC-9821Ra43」ですので(ノート除く)、一つ前の型という事になります。基本的にPC- 9821RaはRa300から進化していません。CPUとHDDだけが変更になっている位です。Ra300以降の構成は
  

・Slot1 FSB 66MHz(固定)
・EDO SIMM-ECC(MAX256MB)  4スロット
・Cバス(98汎用バス) 3スロット
・PCIバス 3スロット(うち1スロットは利用不可)
・IDEインタフェイス PIOモード(8GB制限あり)
・SCSIインタフェイス なし
・USBインタフェイス なし
・PCMCIA インタフェイス なし

 となっています。困ったちゃんな構成ですねー(^^;

[追記]
・PC-98シリーズは2003/09/30を持って生産終了となっています。

何が必要なのか?

  パフォーマンスを向上させるには「CPUの速度」「搭載メモリ量」「高速なHDD」「高速なVIDEOカード」が必要になります。拡張性を向上させるためにはUSBやSCSIが必要になるでしょう。...しかし。Ra40は PCIスロットが2本しか使えません。
 

・IDE カード
・SCSI カード
・USB カード
・VIDEO カード
・PCMCIA カード
 
 これらのうち、どれかは使えなくなります。

[CPU]
 Coppermineコアのソケット版CPUをゲタを履かせて利用する事ができます。「Ra3xx/4x系」におけるTualatineコアのCPU動作報告はまだ見かけません。

[Memory]
 64pinのECC対応EDO-SIMMが利用できます。しかし、実は...

[VIDEOカード]
 必須です。Cバス用なんて今時ありませんし、あったとしても最初から付いている「Trident TGUI9682」よりパフォーマンスは低くなるでしょう。Windows2000で使う限りではPC/AT互換機用の幾つかのカードが利用できます。

[USBカード]
 PC-98対応のものは生産中止になっているようです。ないと今後の拡張性が望めません...お好みによりけりですが。現在主流のホイールマウスのPC -98バスマウス版はありませんので、ホイールマウスを使いたければ必須となります。マウスだけに限ればシリアルなホイールマウスを使う事もできますが、操作性があまりよくない上にRS-232Cポートを一つ食ってしまいます。
 
[IDEカード]
 PC-98対応のものは生産中止になっているようなので、ショップにある現物or中古のみです。ATA66対応なので、安価で高速なHDDを接続するには必須となります。

[SCSIカード]
 Cバスの物もありますが、こちらは「SCSI2」止まりです。最大転送速度は10MBにしかなりません。こちらにHDDを接続すれば「IDEカード」は不要になります。

[PCMCIAカード]
 純正品もありますが、先に述べた通り、CardBusには非対応です。CardBus対応のものはCardBus専用となります。こちらも生産中止となっているようです。


Windows2000(Professional)
 
  PC-98x1をサポートする最後のWindowsです。今回はこれを導入する事にします。動作環境は以下の通りです。

必要システム
コンピュータ/プロセッサ 133 MHz またはそれ以上の Pentium 互換 CPU
メモリ 最低 64 MB の RAM を推奨、メモリ増設に従い応答速度は向上
ハード ディスク 650 MB の空き容量のある 2 GB のハードディスク
CPU サポート Windows 2000 Professional はシングルおよびデュアル CPU システムをサポートします。

 Win9xの方が推奨スペックは低くて済むのですが、2000にする最大の利点は「PC/AT互換機用のドライバを使いまわせる可能性が高い」という事に尽きます。まぁ、僕はWin95->NT4.0->2000->XPと基本的にNT系を使ってきた事もあり、Win9xに未練はありませんが。

 Ra40がデフォルトで満たしていない条件はメモリです。私の所有するRa40は SIMMが抜かれていたので、とりあえずそこら辺から64MB分を調達する事にしました。


 ハードウェア調達する(その1-HDD接続インタフェイス)

  Windows2000を動かすためにハードを揃えなければなりません。現状でとりあえず Windows2000をインストールする事ができますが、このままでは実用的ではありません。また、ちょっとした落とし穴が待っているので、とりあえずはハードウェアの調達からはじめます。

 とにもかくにもHDDを増設しない事にはWindows2000はインストールできません。オンボードのIDEインタフェイスは遅すぎる上に 8GB制限がありますので、何らかの大容量HDD用インターフェイスが必要です。

IO-DATA U-IDE66
 ATA66のHDDが増設できます(上限32GB)。定価9,800円。生産完了しています。

IO-DATA SC-UPU2
 Ultra SCSI + Ultra2Wide SCSIインターフェイスです。定価19,800円。

Melco IFC-USP-M2
 Ultra SCSIインターフェイスです。定価15,800円。SDATテクノロジにより、IDE-HDDをSCSI機器として接続できます。

玄人志向 CHANPON3
 Ultra2 SCSI + USB2.0 + Soundなマルチインターフェイスボード。オープンプライス(恐らく)。 

 主なものは以上です。これらは搭載BIOSにより「接続HDDから起動できる」ものばかりです。PC-98においてはインターフェイスに接続されたHDDから起動できる事が条件です。U-IDE66IFC-USP-M2は安価なIDE-HDDを接続できるのが魅力ですが、敢えてSCSIにします。私は玄人志向CHANPON3をチョイスしてみました。

 最初の理由は「SCSIである事」です...当然かも知れませんが。SCSIはマシンへの負荷が少ないので、CPUのパワーアップがそれほど望めない非力なPC-98においては、IDEよりもSCSIが有利です。欠点はHDDドライブが高価な事ですが、外部SCSIインタフェイスにより他の SCSI機器を接続できるという利点もあります。ここでは詳しく説明しませんが、「32GB以上のHDDを利用できる」のも見逃せないポイントでしょう。

 次に、USB2.0が利用できる点が挙げられます。前述しましたが、PC-98ではホイール(スクロール)マウスが使えませんので、 USB2.0 インタフェイスはありがたいのです。もちろん単体でUSBカードは販売されていますが(PC-98対応製品はちゃんとある)。もう一本のPCIバスには VIDEOカードを挿す事が決まっているので、CHANPON3のような複合ボードでないといけない、という訳です。USB機器は種類も豊富ですので、拡張性を考えると外す訳にはいきません。

 CHANPON3は実売19,800円で売られている事が多いのですが、「あきばおー」にて17,999円で購入する事ができました。このようなボードは一度売り切れると入手が難しいので、先に手をつけてみました。Neptuneの教訓でもあります。

[追記]
私がCHANPON3を購入した途端、あちこちで実売18,800になりました。何故?


 工作の時間(その1-HDDマウンタを作る)

  HDDのインタフェイスを揃えても、HDDを設置する場所がありません。...いや、場所はあるのですが取り付けステーがありません (ToT) 純正品を購入するとウン千円もしますので、自作する事にします。用意するのは1mm厚のアルミ板2枚です。DIYショップで100× 300mmのを買ってきましょう。これだと切断が2箇所で済みます。お値段は1枚250円前後です。私が購入したのは「Hikari ユニホビー 素材シリーズ HA1013(JAN:4977720210100)」って奴です。
 
[HDDマウンタ1]

  言うまでもないことかも知れない補足をしておきます。小学生の工作の知識のあるヒトならお分かりでしょうが、曲げるときはアルミ板の厚みを計算に入れてから曲げましょう。高さを30mm以下にしないとSlot1-CPUのクーリングファンに干渉します。あまり浅すぎると2台目(次に挙げるマウンタ使用)が設置できません。どちらの場合もワッシャを挟むかスペーサを使う事で対処できますが。底の幅が110mm以下でないと設置できません。無理矢理押し込めば設置できますけどね...(^^;

 HDDを1台しか増設しないのであれば次に挙げるマウンタが簡単です。折り加工が必要ありませんので。
 

[HDDマウンタ2]


 2台目のマウンタを兼ねています...まぁ、ただの穴空けたアルミ板ですが(^^; 折り加工ですが、DIYショップでやってくれるのであればやってもらいましょう(工具を持っていないのなら...)。さもないと、私のように台所の収納扉にアルミ板を挟んで「よっこらせ、グキッ!!」と家族の白い目を背に手曲げする事になります(ToT) 腕力に自信のあるヒトは大きめの金属製の文鎮(角が立っている奴)を使うとキレイに曲げられるでしょう、多分。

 マウンタを留めるネジですが、普通の奴だと短い(2台分のマウンタを作った/スペーサ等で調節した場合)と思われますので別途ネジを調達しましょう。DIYショップで「直径3mm、長さ10mm」程度のミリネジを購入します。100円前後です。私はついでにローレットネジ(手回しネジ)を購入しました。見た目だけの問題ですが...(^^; DIYショップで4個入り180円でした(こちらも直径3mmのミリネジ)。これで本体カバーの開閉が楽になります。

 ここまでやっておきながら、未だSCSI-HDDを調達できていないのですがね...実は(^^;

[追記]
・2台用マウンタはSCSIケーブルの接続は便利ですが、後述のCPUゲタを装着するとCPUクーラーに干渉して取り付け不能になります。

 


 CHANPON3


 さて、そうこうしている内に玄人志向CHANPON3が届きました。まだMS-DOSしか動かないのにー(ToT)

 基本スペックは先に書いた通りです。Ultra2Wide-SCSI/USB2.0/サウンド複合カードですね。SCSIは 80MB/sの能力を備えていますから、今後HDDの高速化が期待できますね。USBポートも追加されますのでPC-98でホイールマウスの利用が可能になります。USB- 106(109)キーボードを利用する事もできますが、DOSで動作しないのであまり意味はないかも知れません。

 とりあえず装着。本体はPCIボードですからなんて事はないですね。PC-98の場合、サウンド関係のコネクタはCバスの空きスロットを利用します。ちょっと面白いブラケットとなっています(単体発売もされています>CBUS-HENKAN)。

 注意点ですが、オーディオコネクタケーブル(接続方法はこちら) の長さの都合上、引き回すのが大変です。Cバスの一番下のスロットに装着するには、カードの下を通し、「抜いちゃダメ」ボードの下を通し、Cバスライザカードの脇を通せばOKです(サウンドカードは抜いておいた方が作業が楽になります)。真ん中のスロットへ装着するのはかなり大変でしょう。一番簡単なのは最上段のスロットです。
 

[Chanpon3配線]

Cバス最下段<->PCIバス#2の配線例


 Ra40には最初からサウンドカードが刺さっています(偽PCIコネクタに)が、これと取り替えるというのも一つのテではあります(1mm程度のスペーサorワッシャが必要になりますが...)。CHANPON3のオーディオ機能を使うのであれば、内蔵音源は殺す事が多いでしょうから。コネクタ類が本体下部に集中しますので、こちらの方がすっきりするかも知れません。

 そして電源をON。予想通りMS-DOSではSCSIを認識しません。OVERTOP(II)のHPにある「PC-9821 用BIOS」に書き換える事にします。MS-DOSでアーカイブを解凍したら、README.TXTの通り「loada100 1060_98.bin /F」と実行します。README.TXTをリネームしてREADME.BATにして実行してもOKです(^^; さっくり更新が終わり、再起動するとSCSIが認識されました。テストで繋いだSCSI-HDD(壊れてる奴^^;)がPC-98の起動選択メニューに現れました。

 人によってはCHANPON3の機能の一部を殺したい場合もあるでしょうが、ジャンパの設定を書いたマニュアルは存在しません。そんな時はCHANPON3の基板の裏を見てみましょう。ちゃんとシルク印刷されていると思います(^^;

 SoundとUSB2.0を確かめる術がない(現状では)ので、更にハードの調達を行います。

[追記]
CHANPON3は 2002/09現在、出荷停止になっています。
・内蔵Soundは98メニューで切り離してあります。

 ハードウェア調達する(その2-VIDEOカード)


 改めて書くことでもないですが、PC-98でPC/AT互換機用のVIDEOカードが使える事があります(詳しくはNoggy氏の「PC-98 (Win2000)でAT機用ビデオカードを動かそう」を参照)。先人の検証により、「nVIDIA GeForce2 MX400」搭載カードが最もコストパフォーマンス(価格対性能比)がいいようです(画質はおいといて)。...というより、PCIの転送速度ではもっと豪華なチップを積んだVIDEOカードを載せてもこれ以上の性能は発揮できない、という事のようです。そこで「GeForce2 MX400」に的を絞り、無駄な出費を控える為に動作報告が挙がっているVIDEOカードを探す事にしました。

 おなじみのSUPCで「inno3D TORNADE GeForce2 MX400(PCI)」を扱っていたので、注文しようと再度同社のWebサイトを覗くと...あれ?消えてる? 店長に確認した所、このカードは画質がよろしくなく、さらに不具合(初期不良?)が多かったので取り扱いを止めたとの事。では「ELSAならどうだ?」と尋ねたら「代理店の在庫が切れた」とのお答え(ToT) 「玄人志向GF2MX400-PCI64はどぉ?」と訊かれたので、「それでいいっス!!」と即答。価格は7,500円程度でした。
 

おいおい、またも玄人志向謹製かい(^^;


 しかし、玄人志向って、一時期の満開製作所を彷彿とさせるなぁ...(^^;


 小休止 (その1)
 
 ハードは基本的に入手しにくいもの(入手できなくなると代替品の入手が厳しいもの)から揃えています。CHANPON3があればSCSI/USB2.0は規格モノなので接続機器の調達は難しくなくなります。VIDEOカードは「GeForce2 MX400搭載」が条件でしたのである程度選択肢がありました。残るはSCSI-HDD、メモリ、CPUですが、これらも規格モノなので調達はそう難しくはありません(お値段は別にしても、ね)。

 OSを入れるためにHDD、快適に動作させるためにメモリ、さらに快適にするためにCPUと、こういった順番でハードを調達する事になろうかと思われます。CPUが一番最後になるのには理由があるのですが、それは後々お話する事になると思います。

 さて、会社のジャンクから、工作に使えそうなものを拾ってきました。

 ・レギュレータ用ヒートシンク
 ・USBコネクタ(メス)
 ・オーディオケーブル(CD-ROM)用

 後々使えそうです。


 工作の時間(その2-レギュレータにヒートシンクを付ける)
 
 大した事じゃありませんね。ジャンクのレギュレータ用ヒートシンクをIDEコネクタの傍らにある三端子レギュレータにネジ留めするだけです。最近のPC (M/B)もそうですが、三端子レギュレータにまともにヒートシンクを付けてあるのを見た事がありません。こんなトコをケチってどうするのよ。ジャンクのレギュレータ用ヒートシンクを素直に装着すると基板に干渉するので(チップ抵抗等がレギュレータのすぐ下にある。ハナからヒートシンクを付ける気はないらしい--メ)、若干不安定ですが、上下逆に装着します。アルミ製のヒートシンクで軽いのでこれでもいいでしょう。
 
[三端子レギュレータ用ヒートシンク]

  一応、CPUのアップグレード対策です。

[追記]
・奥に見えるのはIDEケーブルです。ヒートシンクがなくてもこのケーブルに干渉する事があるので、内蔵IDEが不要になった方は忘れずに抜いておいて下さい。
 工作の時間(その3-CD-ROMオーディオケーブルを差し替える)

  これも大した事じゃありませんね。最初から付いているオーディオケーブル(CD-ROM<->Cバスライザ)を外して、これまたジャンクのオーディオケーブルに差し替えます。一方はCD-ROM、もう一方はCHANPON3に接続します(言うまでもないかもしれませんがinitioチップの下にある白いコネクタです。シルク印刷があるので解るでしょ^^;)。

 


 ソフトウェアのセットアップ(その1-内蔵HDDの整備)

 Ra40の内蔵HDDは最初4パーティションに分けられています。「2GB/2GB/2GB/残り」です。MS-DOSパーティションは1つ残せばOKなので、残りはフォーマットしてしまいます。ところが、MS-DOSでは2GB以上のパーティションを作成できません。

 会社にあるPC-98のWindows98にて起動ディスクを作成しました(何気にPC-98版Win98起動ディスクは高性能です)。これを使って「2GB/残り」にします。

 まずFDISKです。PC-98でFDISKを使った事のあるヒトは割と少ないかもしれません。MS-DOSにはFDISKは存在せず、HDDの領域開放/確保/状態変更/フォーマットは「Format /h」で行いますので。MS-DOS領域を開放したら、領域確保を行い、ブート可に設定して再起動、その後「Format B: /S」でフォーマット/システム転送を行います。起動ディスク/RAMDISKにあるツールをまとめて「B:\DOS」にコピーし、CONFIG.SYS とAUTOEXEC.BATを設定しました。

 これで、B:ドライブをデータ置き場に使えます。何故このような構成にしたかというと、Windows2000を導入する場所をC: ドライブにするためです。PC-98はPC/AT互換機とは異なり、HDDから起動すればHDD->FDDの順番でドライブ番号にマッピングされます。つまり、「A:/B:ドライブはFDDではない」のです。最近では少なくなりましたが、「C:ドライブにはOSが入っているもの」と決め付けてあるソフトウェアがまれに存在します。無用なトラブルを防ぐ意味において、

A: MS-DOS 6.2
B: Windows98(Command Prompt Only)
C: Windows2000
D: FDD
E: CD-ROM

 ...という構成にしましたしようとしました。内蔵HDDを抜かず、 Windows2000をそのままインストールしなかったのはこのためでもあります。

[追記]
・HDDをAドライブから埋めるにはWindows95/98からの上書きインストールが必要になります。それ以外の場合ではHDDはCドライブから埋められます。もちろん、MS-DOSからみた場合はAドライブからHDDが埋められていますが。


 ハードウェアを調達する(その3-HDD)

 ちょっと考察してみましょう。現状でRa40に接続できるHDDは2系統しかありません。 

・IDE-HDD
・SCSI-HDD

 先述しましたが、内蔵HDDインターフェイスはPIOモードしか利用できす、8GB迄のHDDしか認識しません。よって、ここに最近のIDE- HDDを載せるのは無駄です。SCSI-HDDですが、CHANPON3は Ultra2Wide-SCSIインターフェイスを備えていますので、Ultra2Wide以上のSCSI-HDDを搭載するのがベストと言えます。

 とりあえず4.5GBのUltraWide-SCSIのHDD(IBM DDRS-34560 68pin-SE)をタダで譲り受けたので、これを使う事にします。これだと理論値で40MB/sなので、ソコソコ行けるハズです。シングルエンドですが...(^^;

 将来、Ultra160-SCSIのHDDを付けるかもしれません。IDE-HDDに比べてバカ高いのは承知の上です。しかし、これだと Ultra2Wideの転送速度(理論値80MB/s)の恩恵を得る事ができます。OSの起動ディスクは速いに越した事はありませんからね。その時はDDRS-34560を A:/B:ドライブ(Ultra-SCSIコネクタに接続。SEなので...ToT)にして新規購入したドライブをC:にする事になるでしょう。

 AEC-7720UWを利用するというテもありますが、UltraWide止まり(最高で40MB/sだが、オーバーヘッドは当然存在するのでネィティブなUltraWide- SCSIよりは低速になる)であるため、データドライブ以外の用途には使えそうにありません。AEC-7722だとそうでもないのかもしれませんが、現在(2002/08/01)では一般にはまだ流通していないようです。

 データドライブでいいのならCHANPON3の内部USBコネクタに「IDE->USB2.0変換」をかましてIDE-HDDを使うというのもいいかもしれません。USB2.0は理論値 480M/sなので、計算上はUltraWide-SCSIよりも高速という事になりますが、実際には20MB/s以下というのが関の山だと思われます。ま、お手軽という事で(^^;

 SCSIはCPUの占有率が低いのというメリットがあります。高速なCPUであればIDEでもストレスは感じないでしょうが、PC- 98では CPUの上限が見えていますので、CPUに対するストレスはでき得る限り少なくした方が快適に使う事ができるでしょう。


 ソフトウェアのセットアップ(その2-Windows2000インストール)
 
 さて、やっとこさWindows2000をインストールする準備が整いました。HDDの容量が合計で10GB程度というのは今となっては心許ない気がしますが、それはおいおい考える事にします。

 Windows2000を新規インストールするにはどうしたらいいでしょう?CD-ROMブート?PC-98ではできません。 Windows98 でもインストールしてそれから2000にアップグレードインストールするのが簡単でいいでしょう。私もそうするハズでした...。

 しかし、結局それはやめました。私の行った方法は以下の通りです。

1.SCSIドライバの準備
 CHANPON3付属のCD-ROMの「SCSI\WIN2K」以下のファイルをFDにサブフォルダごとコピーしておきます。

2.HDDから起動
 任意の起動できるHDDから起動します。CD-ROMが読めるようにしておく事が必要です。

3.Windows2000のセットアップ
 Windows2000のCD-ROM(Disk2)をCD-ROMドライブに挿入し、「NEC98\WINNT.EXE」を実行します。

4.SCSIドライバの読み込み
 セットアップ開始直後、ステータスバーに「その他のストレージデバイスがあるならここでF6キー押してね」という旨のメッセージが出るのでF6キーを押下しておきます。先に進んで「その他のストレージデバイスを追加するならSキーを押してね、そのまま続けるならEnterキーだよ」という旨のメッセージが出ますのでここでSキーを押し、画面の指示に従って「1.」で作成したドライバディスクを挿入します。

5.インストール先の指定
 SCSIが認識されているので、内蔵IDE-HDDよりも高速なSCSI-HDDをインストール先に指定します。

 後はPC/AT互換機用と同じです。注意点ですが、この方法だと、内蔵HDD->SCSI-HDDの順でドライブレターは「C:」から始まります。本当はA:からHDDを埋めたかったのですが、それにはWindows98等をあらかじめインストールしておき、アップグレードインストールを行わなければなりません。集めたパーツの動作確認を急ぎたかったものですから、Windows2000の起動ドライブをC:にする事を見送りました(今回は)。

 何はともあれ、これでWindows2000が動作しました。

[追記]
<!>WARNING<!>ソフトウェアのセットアップ(その5-Windows2000 SP3インストール」の項を参照!!

 


 ソフトウェアのセットアップ(その3-ドライバ等のインストール1)

  まずはCHANPON3関係から。付属のCD-ROMからSoundドライバを組み込みます。ここに書いてある通り、WDMドライバをデバイスマネージャからインストールします。次にUSB2.0のドライバですが、これもデバイスマネージャからインストールします。ここまでは難なく終わりました。
 
 ジャンクから「72pin EDO-SIMM(without ECC) 32MB×2」を見つけたのでこれを挿してみます。メモリチェックでエラーになりますが気にしない事にします(^^; まりもさんのHPから「memsetup」をDLし、MS-DOSで起動してmemsetupを実行します。私の環境では素直に「普通のSIMM-64MB」でよかったようです。再起動してWindows2000でメモリ量を確認するとちゃんと128MBになっていました。

  次はGF2MX400-PCI64です。付属のCD-ROMにもドライバは入っていますが、あえてnVIDIAのサイトから「DETONATOR XP」をDLしてきてインストールしました。ただ、このままだとマルチディスプレイになってしまうので、内蔵VIDEOカードを殺しておきます。Melcoにあるツールを使うのもいいでしょう。で、いきなりですが...
 
[追記]
CHANPON3の Soundドライバを組み込むとデバイスマネージャにゲームポート等が追加されてしまう場合、Soundドライバのあるフォルダにあるセットアップ用の EXEを実行してドライバを組み込んで下さい。設定画面にレガシーポートをOFFにするオプションがあります。また、Soundドライバは最新のものを使うとよいでしょう。「C-Media CMI8738」用のドライバはこちらからDLできます。

 工作の時間(その4-ディスプレイケーブルを作る)

  Ra40で VIDEOカードを増設する場合、VIDEOカードからの出力を元々付いているいわゆる「抜いちゃダメ」ボードに入れてやる必要があります。「抜いちゃダメ」ボードはただのグラフィックアクセラレータカードではなく、PC-98固有のVGA-BIOS等が載っています。

  接続には普通のディスプレイケーブルで構いません。私もこれを買ってきました。しかし、いざ接続すると長くて邪魔です(1m以下の長さのものは一般に売ってありません)。くるくる巻いて束ねておくのもいいですが、コイル状になるのは精神衛生上よくありません。かといってブラブラさせておくのも邪魔で仕方ありません。

 ...やるか(^^; ケーブルを途中で切断して短くする事にしました。覚悟を決めてプチっ!!ニッパで切断して、断面を見て後悔しました。15本の信号線のうち3本が同軸になっています。「こんな細いのハンダするのヤだよう(ToT)」

  ケーブルが短ければ同軸である必然性はないので、コネクタ(D-SUB/15pin/ハイデンシティ)だけ使う事にします。ニッパでブチブチやりながらコネクタだけを取り出します。コネクタはケーブルの皮膜に覆われているだけではなく、樹脂で固められているのでコネクタだけ取り出すのは結構な手間です。熊本に一般のヒトが買える電子部品屋さんはそうそうありませんし、あったとしても「D-SUB/15pin/ハイデンシティ」のコネクタなんて売ってありそうにないです...まったく高いコネクタだなぁ。

 ...なーんて書いていたのですが、コネクタ(D-SUB/15pin/ハイデンシティ)は「パーツのフジオカ」に売ってありました。1個450 円です。私はコネクタカバー(1個350円)を買いに入ったのですが、その時に置いてあるのを確認しました。...でも2個で900円なので、安いディスプレイケーブルを買ってきてコネクタだけ頂くのがいいかもしれません(都市部を除く^^;)。長いケーブルのままでよければ安くあがりますし、I/Oデータの補修部品を利用するというテもあります(GA -VDIIシリーズ添付VGAパススルーケーブル:\1,905)。

  ジャンクからフラットケーブルを引っ張り出してきて15cm程の長さに切ります。5本ずつに割いたものを3本作ります。15pinをストレート全結線するためです。普通の15芯ケーブルを使わずにフラットケーブルにしたのは深い意味はありません。単に曲げやすいので、「VIDEOコネクタが非常に近い位置にある場合には有効かな?」と思っただけです。15芯ケーブルだと、接続した時にコネクタに力が掛かってしまいそうですので。
 

[ディスプレイケーブル]


 そしてWindows2000を起動、起動画面で青いプログレスバーが画面端まで来たら固まったようになります。実は、ここで98-VGAから、増設したGF2MX400-PCI64に出力が切り替わっているのです。背面のディスプレイケーブルをGF2MX400-PCI64側に繋いでやると見事にデスクトップ画面が表示されました。

 PC-98対応のドライバであれば、今回工作したケーブルを繋いでおけば、自動的に出力を切り替えてくれるのですが、PC/AT互換機用のドライバを使っているため、そんな気の利いた事はやってくれません。また、唐突に...

[追記]
・「写真の奴のドコがフラットケーブルなんじゃい!!」というツッ込みは無用です。フラットケーブルを皮膜で覆ってあるだけですので...。


 ソフトウェアのセットアップ(その4-ドライバ等のインストール2)

  PowerX さんのHPから「DispFlip」をDLしてきます。これは先述の98-VGA<->VIDEOカードを自動的に切り替えてくれるツールです。インストールは簡単です。アーカイブを解凍したら、「dispflip.sys」を「<Windows>\SYSTEM32\DRIVERS」へコピーします。続いてdispflip.REGを編集します。「"Start"」の値を「2」に、「"STMD"」の値を「1」にします。そしてダブルクリックして実行すればOKです。再起動すると自動的にディスプレイ出力が切り替わるようになります。「FLIP.EXE」はパスの通ったフォルダにコピーしておくと後々便利でしょう。私は「<Windows>\SYSTEM32」へコピーしておきました。

 この辺の話は「AT 機用ビデオカードをPC-98で動かすには」、「DispFlip の使い方と応用テクニック」が詳しいので、参考にしてみて下さい。

 次はDirectXです。実はPC-98はDirectX8.xに対応していません。そこでFeldlotosさんのHP にある「DirectX8 for NEC98」をDLしてきます。もちろんDirectXも落としておきます。まず、DirectX8を「DX81JPN.EXE /T:<解凍先> /C」として解凍します。そこへ「DX8NEC98.EXE」をコピーし実行します。パッチが正常に完了したら「dxsetup.exe」を実行して DirectXをインストールします。

 

[追記]
・DirectX9のインストールも可能です。

 小休止 (その2)

  とりあえずパソコンとしては使えるようになりました。一旦ここでベンチマークを取り、今後の対策を行う事にします。以下にベンチマーク (HDBENCH ver3.40β5)の結果を示します。条件を同じにするため、OSはWindows2000+SP2、画面の解像度は1024× 768/HighColorにしてあります。
 
[ベンチマーク001]

        


[メイン機の構成]
----------------

Processor   AMD Athlon 996.01MHz[AuthenticAMD family 6 model 4 step 2]
Cache       L1_D:[64K]  L1_I:[64K]  L2:[256K]
Name String AMD Athlon(tm) processor 
VideoCard   Canopus SPECTRA 7400 
Resolution  1024x768 (16Bit color) 
Memory      523,760 KByte 
OS          Windows 2000 5.0 (Build: 2195) Service Pack 2 

 

VIA Bus Master IDE Controller
プライマリ IDE チャネル
  ST360020A
  ST340810A

 

VIA Bus Master IDE Controller
セカンダリ IDE チャネル
  DVD/CDRW RW9200

 

Adaptec AHA-2940AU PCI SCSI Controller
  FUJITSU M2512A          1314
 

 

[FLORA 220FX(NP3)の構成]
------------------------

Processor   Pentium III 497.84MHz[GenuineIntel family 6 model 8 step 3]
Cache       L1_D:[16K] L1_I:[16K] L2:[256K]
VideoCard   Trident Video Accelerator 9525DVD 5.6073-03.56
Resolution  1024x768 (16Bit color)
Memory      261,616 KByte
OS          Windows 2000 5.0 (Build: 2195) Service Pack 2

 

Intel(r) 82371AB/EB PCI Bus Master IDE Controller
プライマリ IDE チャネル
IC25N020ATCS04-0

 

Intel(r) 82371AB/EB PCI Bus Master IDE Controller
セカンダリ IDE チャネル
MATSHITA CD-ROM CR-271
 

 

[PC-9821Ra40の構成]
-------------------

Processor   Celeron 399.49MHz[GenuineIntel family 6 model 6 step 5]
Cache       L1_D:[16K]  L1_I:[16K]  L2:[128K] 
VideoCard   NVIDIA GeForce2 MX/MX 400 
Resolution  1024x768 (16Bit color) 
Memory      129,596 KByte 
OS          Windows 2000 5.0 (Build: 2195) Service Pack 2 

NEC PC-9800 IDE/ATAPI コントローラ
  FUJITSU MPC3064AT
  SONY CD-ROM CDU701

Initio INI-A100U2W PCI SCSI Controller
  IBM     DDRS-34560W     S97B
 

 

 グラフはメイン機の性能を100%とした相対性能です。ここまででも案外健闘していますね。私は FLORA 220FX(NP3)のスペックに充分満足している(VIDEO性能以外はね^^;)ので、これを超える事ができればWindows2000はサクサク使えるという事です。ではグラフを追ってみましょう。

[CPU]
 ほぼカタログスペック通りです。CPUはまだ換装していないのでこんなもんでしょう。

[メモリ]
 ここがPC-98でのネックのようです。SIMMとはいえ、かなり遅いです。

[VIDEO]
 かなり改善されました。PCIバス接続なので上限に近いでしょう。換装前を調べていないのですが、FLORA 220FX(NP3)のTridentと同等かそれ以下の性能だったと思われます。

[HDD]
 こちらも改善されています。FLORA 220FX(NP3)のIDE 2.5inch-HDDより高速になっています。ちなみにRa40に最初から付いている内蔵HDDは「メイン機の1/10」、換装後と比べても1/4程度の性能しかありません。 USB1.x接続のHDDといい勝負だと思われます(^^;

 AllではFLORA 220FX(NP3)に勝っていますが、体感速度ではやはり負けています。スコアを上げているのがVIDEO性能ですから当然ではありますが...。ここからさらに性能を向上させるには「物理メモリ量アップ」、「HDD換装」、「CPU換装」を行う必要がありそうです。

 PC-98はメモリ周りとPCI周りにかなりウェイトが挟まれています。ここを改善すれば現状でもパフォーマンスアップが望めますが、それは次の機会で。


 ハードウェアを調達する(その4-ホイールマウス)

  ちょっと趣を変えて。光学式のUSBマウスを付けてみました。98バスマウスはできるだけ使いたくありません。壊れた時、調達が大変ですしね(と言っておきながら現状で4個の予備を持っていますが...^^;)。また、98バスマウスにはホイール機能付きのものがありませんから、ホイール機能が使いたければUSB接続のものをチョイスする必要があります(シリアルマウスを繋ぐ事もできますが、あまりスムースではありません)。

 Logitechのバルク品を買ってきました。Webブラウジング等にはやはりホイール機能のあるマウスがいいですね。CHANPON3をチョイスした理由の一つは「ホイール機能付きのマウスが使える」という事でした。本体の性能には関係しませんが、操作性は随分と向上します。

[追記]
・何故かマウスウェアを導入するとホイールを回しただけで「EM_EXEC.EXE」がコケますが、このソフトをアンインストールしておけば何の問題もありません。


 ソフトウェアのセットアップ(その5-Windows2000 SP3インストール)
 
 2002/08/09にWindows2000のServicePack3がリリースされました。もちろんPC-98版もあります。...しかし、
 
CHANPON3ユーザーはそのままSP3をあててはいけません!!


 これを無視した場合、起動がもの凄く遅くなるばかりか、最悪Windows2000が起動しなくなります(固まるorブルーバックが拝める)。正しい SP3のインストール方法はこうです。

INITIO のHPからA100U2W用のWindowsXP/2000ドライバをDLしてくる。 
・デバイスマネージャから「SCSIとRAIDコントローラ」を選び、「Initio INI-A100U2W PCI SCSI Controler」のドライバを更新する。
・SP3を適用する。

 もし、これから新規インストールするのであれば、DLしたドライバのアーカイブの全内容をFDにコピーして使う必要があります。 A100U2W用のWindowsXP/2000ドライバの所にちゃんと「Corrects slow boot after installing Win2000 Service Pack 3.」と書いてあるのですが、私は知らずに何の考えもなくSP3を適用してヒドい目に遭いました(ToT) 


 ソフトウェアのセットアップ(その6-Windows Media Playerのインストール)

 PC-98版のWindows2000では「Windows Media Player」が古いバージョンのものしか提供されません。Windowsアップデートにも項目が出てきません。恐らく DirectX絡みだと思われますが、DirectX8.1bを導入した環境なので、別途ダウンロードしてインストールします。「Windows Media Player 7.1」がインストールできます。もちろん正常に動作しますが、2つの理由により、「Adaptec CD 作成プラグイン」を構成から外した方がいいと思われます。

 一つは「Windows2000がシャットダウンできなくなる場合がある」というもので、これはKB にも報告されています。事実、私もこの現象に遭遇しました。PC-98の機器構成にはそれほどバリエーションがないのでCHANPON3を使っていれば間違いなく再現するでしょう。

 もう一つは「SCSIのパフォーマンスが低下する可能性がある」というものです。「Adaptec CD 作成プラグイン」はプラグインと言っておきながら、実際にはドライバとして動作しているようです。実測してみましたが、1割程度の速度低下が見られました。これはSCSIドライバの競合時のみおきる現象なのかは解っていませんが、パフォーマンスに影響しない環境もあるようです(当然かもしれませんが)。

 どうせ使うこともないでしょうから(^^;、「Adaptec CD 作成プラグイン」は外しておきましょう。

[追記]
・「Windows Media Player 9 Series」の動作を確認しています。

 ソフトウェアのセットアップ(その7-パフォーマンスを改善する)

  ここで、ソフトウェアによるチューニング方法を探ってみたいと思います。

[SCSI]
 SP3により、速度低下の憂き目に遭うSCSIを高速化するには、「SP2に戻す」/「SP2のSCSIPORT.SYSと入れ替える」という方法があります。

[VIDEO]
 nVIDIA系のVIDEOカードを使っている場合、「コアクロック/メモリクロックを変更」/「垂直同期をOFFにする」という方法があります。 Web検索で「DETONATOR 垂直同期」等とやると、その方法が詳しく紹介されたサイトがいくつか見つかるハズです。

[Memory]
 PC-98のメモリタイミングチューニングの定番は「INTELSAT」を使う事ですが、NT系のOSでは使えません。しかし、まりもさんのHPから「P698ACC」と「IPLWARE」をDLしてくればメモリタイミングを最速に設定する事ができます。説明にもありますが、大量のメモリを載せている場合にはメモリタイミングをいじらない方がいいでしょう。また、設定はFD(MS-DOS)から行った方がよいと思われます。HDDから起動しなくなった場合に復旧するのが面倒になりますので...。

 [Windows2000]
 「Windows 2000/XP のメモリーチューニング方法は?(winfaq)」を参考にしてみて下さい。「HKEY_LOCAL_MACHINE\System\CurrentControlSet\Control\Session Manager\Memory Management」を設定します。

 DisablePagingExecutive=1
 LargeSystemCache=1
 IoPageLockLimit=65536(物理メモリ256MB以上) 
 チューニング後の各値です。経験上、256MB以上の物理メモリを搭載していないと効果は望めないようです。

 ...ここまで書いておきながら、現状では何一つチューニングしていません。今後これらのチューニングを行う事があるかもしれませんが、とりあえず保留しておきます。


 小休止 (その3)

  ここで再度ベンチマークを取ってみました。「HD-Bench」のバージョンが違うので一概には比較できませんが、体感速度では概ねこんなものです。


[ベンチマーク002]


OS Windows2000+SP3
Internet Explorer 6.0
DirectX 8.1b
Resolution 1024×768、HighColor
HD-Bench 3.40β6

 CPU/Memory/VIDEO性能は殆ど変わっていません。HDDアクセス速度が相対的に低下していますが、ほぼスペック通りの数値になっていると思われます(前回のFLORAのHDD性能が悪すぎたという感じを受けます)。前回のベンチと比較すると「HD-Bench」でのALLに影響する VIDEO性能の重み付けが変更されているように感じられますが、体感速度から考えると妥当なセンだと思われます。今後はこれ(ver3.40b6)をベースに対策を練って行きたいと思います。

 「どこまでやるのか?」というのを明確にしていませんでしたね。「Windows2000で普通に使える」までです。本体改造はやりません。工作はやっても「パーツを入れ替えても初期状態に戻らない」ようにはしません。もっとも、保証書の類は全くないのですがね...(^^;

 ベースクロックアップ?ITF書き換え? ...世の中には知らない方がいい事だってあるのですよ。せっかくの貴重な98ですから、できるだけ長く使えるようにしたいものです。本体を改造する事によって寿命が縮むのは「X68000 ACE」で体験してますので、もうやりたくありません。  


 ハードウェアを調達する(その5-CPU)

  さて、懸案事項のCPUです。本当は最後にやるハズでしたが、Socket370-CPUでRa40に搭載できるものの流通量が減ってきたので早めに調達する事にしました。CPUに関するRa40での問題点は3つあります。
 
1.FSBが66MHz固定
2.CPUに1.8V以下の電圧を供給できない
3.Coppermine以降のCPUを搭載できない

 さて、どうしたものか。この条件で動作できるCPUは限られてしまいます。とりあえず「2.」の問題を解決すれば幾らか選択の幅が広がってきます。1.8V以下の電圧を供給するにはPowerLeap製の「PL-iP3/T(Rev.2.0)」という「Slot1->Socket370変換アダプター(下駄)」を、Ra40に最初から付いている「MS-6905」と差し替えて使う事になります。
 

 ※「MS-6905」ですが、「ver1.1B」または「MS-6905 Master」であれば1.3Vまでの電圧を供給できますので「PL-iP3/T(Rev.2.0)」を購入する必要はないと思われます。


 電圧問題をクリアした所で選択できるCPUは「CoppermineコアのPentium- III/CeleronでSocket370のもの」となります。最高のパフォーマンスを発揮できるのは「Pentium-III 1.1GHz(FSB 100MHz=733MHz動作)」で、最高クロックだと「Celeron 766MHz(FSB 66MHz)」となります。現実的には「Pentium-III 1.1GHz」は入手困難でしょう(そもそも流通量が少ないので)。

 これらを踏まえた所で「PL-iP3/T(Rev.2.0)」と「Celeron 766MHz(Coppermine/FSB 66MHz/Socket370)」を仕入れてみました。「Pentium-III」にしなかった理由は、
 
1.FSB が100MHz/133MHzなので定格の2/3または 1/2のパフォーマンスになる(もったいない)
2.FSB100MHzで1.0GHz以上のものが入手困難
3.価格が高い

 ...となっています。「Celeron 766MHz」が5,200円だったのに対し、1.0GHz以上の「Pentium-III」は売ってあったとしても3倍以上しますしねぇ。850MHz (FSB 100MHz)の中古は9,800円程度で見かけますが、566MHz動作になります。この程度のクロック差であれば「Celeron 766MHz」とパフォーマンスではいい勝負かもしれませんが、それでも価格差は2倍近くあります。価格対性能比なら「Celeron 766MHz」が圧倒的に優れていますので...。

[Slot1(SECC2)のCPU]
 電圧供給問題をクリアできないSlot1タイプのCPUは本当に載せられないかというと、そうでもないかもしれません。CPUが要求する電圧をごまかせば「1.8V状態」ですが動作する可能性があります。その方法ですが、Slot1のピンに出ている電圧関係のピンをハンダ等でブリッジするというものです。以前に調べ物をした時にチラっと見た気がするのですがうろ覚えでソースを発見できませんでした。Pentium-IIIのスペックシートを当たってみるといいかもしれません。...なお、この件に関して私は責任持ちません。

[TualatinなCPU]
 Ra40ではどう足掻こうが動作しません。「PL-iP3/T(Rev.2.0)」を使っていても無理です。これは物理的/電気的な物ではなく、PC-98のBIOS(ITF)の制限によるものです。仮にこの制限を回避できても、 Tualatinは「Celeron=FSB 100MHz」/「PentiumIII=FSB 133MHz」なので、高クロックなCPUを使わないとパフォーマンスは向上しません。


 Celeron766MHz + PL-iP3/T

  サクっと装着してみました。注意点といえば、Coppermineなので「CPUクーラーの取り付け」と「電圧設定」位のものです。 Celeron766MHzなので、「PL-iP3/T(Rev.2.0)」の設定はJP2,3「FSB=66MHz」、JP5「コア電圧=1.7V」です。

 それから、Ra40への取り付けは本体をバラさないでやるとちょっと窮屈になります。手間がかかっても確実に作業をしたいのであればバラして下さい。
 

[Celeron766MHz + PL-iP3/T]


 説明書の通り取り付けたら、起動してみます。あれ?何度やってもピポって音がしないなぁ(^^; ...あ、自宅でやるとウルサイんでスピーカーの音量下げてたんだった。改めて電源ON!! おぉ、ちゃんと起動してる。とりあえず何の不具合もなく動作させる事ができました。じゃぁ、早速ベンチ取ってみますか。
           
 

[メイン機の構成]
----------------

Processor   AMD Athlon 996.01MHz[AuthenticAMD family 6 model 4 step 2]
Cache       L1_D:[64K]  L1_I:[64K]  L2:[256K]
Name String AMD Athlon(tm) processor 
VideoCard   Canopus SPECTRA 7400 
Resolution  1024x768 (16Bit color) 
Memory      523,760 KByte 
OS          Windows 2000 5.0 (Build: 2195) Service Pack 3 

 

VIA Bus Master IDE Controller
プライマリ IDE チャネル
  ST360020A
  ST340810A

 

VIA Bus Master IDE Controller
セカンダリ IDE チャネル
  DVD/CDRW RW9200

 

Adaptec AHA-2940AU PCI SCSI Controller
  FUJITSU M2512A          1314
 

 

[FLORA 220FX(NP3)の構成]
------------------------

Processor   Pentium III 497.84MHz[GenuineIntel family 6 model 8 step 3]
Cache       L1_D:[16K] L1_I:[16K] L2:[256K]
VideoCard   Trident Video Accelerator 9525DVD 5.6073-03.56
Resolution  1024x768 (16Bit color)
Memory      261,616 KByte
OS          Windows 2000 5.0 (Build: 2195) Service Pack 3

 

Intel(r) 82371AB/EB PCI Bus Master IDE Controller
プライマリ IDE チャネル
IC25N020ATCS04-0

 

Intel(r) 82371AB/EB PCI Bus Master IDE Controller
セカンダリ IDE チャネル
MATSHITA CD-ROM CR-271
 

 

[PC-9821Ra40の構成]
-------------------

Processor   Celeron 765.69MHz[GenuineIntel family 6 model 8 step 6]
Cache       L1_D:[16K]  L1_I:[16K]  L2:[128K] 
VideoCard   NVIDIA GeForce2 MX/MX 400 
Resolution  1024x768 (16Bit color) 
Memory      129,596 KByte 
OS          Windows 2000 5.0 (Build: 2195) Service Pack 3 

 

NEC PC-9800 IDE/ATAPI コントローラ
  FUJITSU MPC3064AT
  SONY CD-ROM CDU701

 

Initio INI-A100U2W PCI SCSI Controller
  IBM     DDRS-34560W     S97B
 

 

[ベンチ003]
 

OS Windows2000+SP3+HotFix
Internet Explorer 6.0
DirectX 8.1b
Resolution 1024×768、HighColor
HD-Bench 3.40β6

 なんとかFLORA 220FX(NP3)を総合スコアで抜くことができました。CPUの換装により、わずかながらMemory、Video、HDD性能が引きずられて向上しています。しかしながら、予想していた通り体感速度は殆ど向上していません。まだ、FLORA 220FX(NP3)の体感速度の方が速く感じられます。

 理由は明白で、「Pentium-IIIに比べL2キャッシュが半分」、「メモリが低速」、「メモリ容量が少ない」、「HDDが比較的低速」という事に尽きます。メモリを大量に必要とするアプリケーションを起動し、仮想メモリへのアクセスが行われるような使い方をすると「L2キャッシュにヒットしない->メモリにアクセス」、「物理メモリを消費->HDDにアクセス」という状況になり、メモリとHDDが低速なRa40の方が遅く感じられるのは当然だと言えます。

 Windows2000はアプリケーションを何もインストールしていなければ128MBの物理メモリで充分なのですが、実際には 256MB以上の物理メモリが必要だと思います。次の改善点はメモリ容量かな...。


 ハードウェアを調達する(その6-メモリ)


 メモリです。以前ちょっと書きましたが、Ra40で利用できるメモリは「EDOでECCなSIMM」です。これに該当するメモリは純正品だと「PC-9821-ME5」というのがありますが、64MB で「240,000円」です。純正品でなくても、こんなもんです...絶句。

 DIMMの512MBが1万円を軽く割っている昨今(2002/10時点)では、やはりSIMMは割高です。これは需要と供給のバランス上仕方のない事ではあるのですが。

 そこで先述の「memsetup」を使います。これで「ECCな」という制限を回避できますので、メモリへの出費をかなり抑える事ができます。例えば玄人志向の「PK98-128MX2EDO」や、バーテックスメモリーの「VES- 128M」は256MBで15,000円前後となっています。memsetupを使うメリットはECC制限を外す事ができる点と、副作用ではありますが「PC-98のクソ遅いメモリチェックを回避できる」という点です(その代わり起動時に必ず「メモリエラー」が出ますが)。

 ただし、memsetupを使っても、最初のスロットには「EDOでECCなSIMM」が必ず必要となります。つまり「EDOでnonECCなSIMMのみ」で構成する事は不可能という事です。このECCメモリ制限はBIOS(ITF)に依るものですから、この制限を回避できれば「EDOでnonECCなSIMMのみ」で構成できる事になります...できればの話ですが。

 私は貧乏なので玄人志向の「PK98-128MX2EDO」を利用する事にしました。Windows2000を使う以上、とりあえず256MB以上のメモリが欲しいので...。256MB以上のメモリがあれば、「ソフトウェアのセットアップ(その7-パフォーマンスを改善する)」の「Windows2000」の項で書いたパフォーマンスチューニングを行う事ができます。経験上、このチューニングを行うと1割程度のパフォーマンスアップが望めますので、メモリ増加そのものによるパフォーマンスアップも加え体感速度はかなり違ってくるものと思われます。

 なお、Ra40で搭載できる物理メモリですが、カタログでは「256MB」となっています。これは純正品の「PC-9821- ME5」を挿した場合の話で、実際には512MBまで搭載できるようです。今回のメモリ容量アップで、ノーマル状態と比べ10倍の物理メモリになりましたので、ここでメモリの増強は終了としますが、Windows2000はメモリ搭載量に比例してパフォーマンスが向上するので、お金持ちな方はフル実装するとよいでしょう(^^;

 


 「メモリチェックでエラーが出るのがイヤ」、「512MBフル実装したい」という方は「バーテックスメモリー」さんで購入するとよいでしょう。「EDO/ECC/SIMM」が破格値で入手できます。2002/10時点での価格は以下の通り。
 

72Pin 64MB EDO SIMM(50nS) 2枚セット VES-64M4K*2 \7,800
72Pin 128MB EDO SIMM(50nS) VES-128M \7,600
72Pin 64MB EDO SIMM(50nS) ECC 2枚セット VES-EC64M*2  \12,800
72Pin 128MB EDO SIMM(50nS) ECC 2枚セット VES-EC128M*2 \23,800

 破格値でなくとも「入手難な大容量SIMMが購入できる」というだけでもありがたいのですが... (^^;
 

[バーテックスメモリ]
 なお「バーテックスメモリー」さんのメモリ(SIMM)は基本的に50nsのようです。また、クロックアップ耐性もあるようですので、PC-98を改造(FSBクロックアップとか)したい方にはいいかもしれません。

 ハードウェアを調達する(その7-HDD)
 
 えぇ、HDDは以前やりました。しかし、IBM DDRS-34560 68pin-SEは4.5GBなので、ちょっと心許ないのは確かです。そこで、もう少し容量の大きいHDDを探す事にします。

 ...ですが、SCSI-HDDは高価です。マトモに購入していたら大変なので、中古を物色。「じゃんぱら」でQUANTUM ATLAS V 36.7Lが\12,800だったのでこれを購入する事にしました。

 IBM DDRS-34560 68pin-SEはUltraWide-SCSI(40MB/s)で、QUANTUM ATLAS V 36.7LはUltra160-SCSI(160MB/s)なので、転送速度の向上も期待できます。もっとも、 SCSIインターフェイスであるCHANPON3は Ultra2Wide-SCSIなので結局は80MB/s以上の転送速度にはなりません。

 さて、このまま接続して80MB/sの速度が出るかといえばそうではありません。「オーバーヘッドの事だろ?」...って、違います。このままだと転送速度は最大でも40MB/sにしかなりません。

 最近のSCSIに疎いヒトは納得できないかも知れません。IDE-HDDで、ATA-33以降の物は専用のフラットケーブルが必要になる事はご存知でしょうが、SCSIにもそんな専用ケーブルが存在するのです。それが「LVDケーブル」で、68ピンのフラットケーブルがツイストペアになっています。

 そして、このケーブルが「クソ高い」のです。SCSI機器2台接続用のLVDケーブルでマトモな奴は、安くても「5000円程」します。

 



 他のHDDを接続する方法をざっと述べます。

[IDE-HDD(PK98-MISTRESS9を使う)]
 この方法だとオンボードのIDEに32GB超のHDDを接続できます。但し転送速度は元のままなので、バックアップ用途程度にしか使えません。

[IDE-HDD(EXIDE32Gを使う)]
 この方法でもオンボードのIDEに32GB超のHDDを接続できます。転送速度の件は上と同じです。

[IDE-HDD(AEC-7726Hを使う)]
 SCSI-IDEブリッジです。SCSI側はUltra160-SCSI、IDE側はATA133対応です。構造上、変換に若干のオーバーヘッドが発生します。「ドライブを選ぶ/価格が10,000円前後」という事もあり、ちょっとした賭けになりますが、大容量のIDE-HDDを比較的安価に接続できるというメリットがあります。

[USB2.0のHDD]
 CHANPON3の内部コネクタを使ってIDE-HDDを接続します。別途IDE<->USB変換が必要となります。もちろんブートデバイスにはなり得ませんので、バックアップ用途となります。


ATLAS V 36.7L
 
 ハマりました。おさらいしますが、CHANPON3は 32GB超のHDDを扱えます。...が、その場合ブートはできません。さらにWindows2000でフォーマットしても32GBまでしか認識しません。ただし、PC/AT互換機等で32GB以上を扱えるSCSIカードでフォーマットすれば32GB以上を認識できます。HDDが「32GB クリップ」をサポートしていればこの限りではありませんが...。

 ブートできない件ですが、2台のHDDにWindows2000を入れてBoot.iniをいじるというテは使えません。実際にやってみましたので...(^^;

 DDRS-34560は SEです。ATLAS V 36.7LはLVD対応です。今の所LVDケーブルを入手できていないので、最大転送速度は40MB/sになります。 Windows2000 をブートするためにDDRS-34560が接続されていますが、CHANPON3に普通の68芯フラットケーブルで2台ぶらさがっていますので、ATLAS V 36.7Lの本当の力は発揮できていません。

 しかし、LVDケーブルを入手しても転送速度は40MB/sのままです。LVDケーブルに一台でもSE機器を接続するとSEの速度に引きずられるからです。かといって、DDRS-34560を 50pinに繋ぐと、ただでさえ低速なブートドライブが輪をかけて遅くなってしまします。根本的に解決するには「LVD対応の起動専用HDD」と「LVD ケーブル」を入手するしかないでしょう。

 現在は、ページファイル/テンポラリ等をすべてATLAS V 36.7Lへ移動させて使っています。これによってある程度の高速化は図れたようです。ちょっと好奇心でATLAS V 36.7Lのベンチマークを取ってみましたが、SE扱いになっているにも関わらず、DDRS-34560の2倍の性能を叩き出しています。これがブートディスクだったら...?

 HDDの発熱を考え、アルミ製のHDDマウンタ板を購入。それぞれのHDDの下に挟んでいます。HDDは結構発熱しますが、HDD クーラーを設置するスペースがないため、スリットの入ったアルミ製のHDDマウンタを使って放熱板代わりにしています。


PK98-128MX2EDO
 
 EDO/nonECC/SIMMです。容量は256MB(128MB×2)となっています。見た目、これまでのSIMMではお目にかかった事のないチップが載っているのと、端子部分が「スズメッキ(劣化しないよなぁ?)」なのが目に付きます。
 
[PK-98-128MX2EDO]


 これもmemsetupを使って認識させます。あんまり書くことないかな?挿すだけだし。

 ...なーんて思ってたらハマりました。PK98-128MX2EDOを挿すとマイコンピュータをダブルクリックしただけでワトソン博士の登場となります(メモリの読み込みエラー)。念のために元のメモリ (EDO/nonECC/16MB×2)に戻すと、何度やっても正常動作します。MS-DOSで「himem.sys /Testmem:ON」は通る事から、メモリ自体の不良ではなさそうです。

 「どるこむ」の過去ログを調べてみると、「EDO/nonECC/SIMM/256MB(128MB×2)」で同様の症状の方がいましたが解決できていないようでした。レスに「INTELSATを使ってメモリタイミングを遅くしたらどうか?」というのがありましたが、Windows2000では「INTELSAT」は使えません。

 途方に暮れてしまい、寝転がってここしばらく読んでいなかった新聞を眺めていました。そこには「ノーベル賞」の話題が載っていました。「すごいなぁ、日本人が同時受賞するのは初めてなのかー。日本人でノーベル賞を貰ったの過去に誰がいたっけ...うん?」
 

 江崎玲於奈だ!!


 飛び起きて「P698ACC」をDL。「P698ACC」の動作原理は「INTELSAT」と同じでチップセットのレジスタをいじってメモリタイミングを「高速化」するものです。エラーの原因はメモリタイミングのせいと考えられますから、ここを「現状から変更しさえすれば動作するかもしれない」と思ったのです。組み込んで再起動すると...バッチリ!!エラーは出ませんでした。

 



 必ずしも対応機種で動作する訳でないPK98-128MX2EDOを購入するのはやはりオススメできません(「相性」ですので返品もききませんし)。素直に「バーテックスメモリー」さんのメモリを使うべきだったと、今になってちょっと後悔しています。もっとも、ちゃんと動作する方には普通に使えるのでしょうが...。

[追記]
・後述しますが、ここで正常動作しているのは「たまたま」です。

小休止(その4)
 
 さて、ベンチマークでもとってみましょう。
 
[ベンチ004]

  「P698ACC」&Windows2000のチューニングにより、若干スコアが向上しています。では、次にインチキな奴を。
 
[ベンチ005]

  これは、計測するHDDをATLAS V 36.7Lに変更した場合です。以上の結果から考えると、「ブートDiskを高速なものに変更する」、「SCSIケーブルを LVD対応に変更する」この2点を施せばパワーアップは完了という事になりそうです。

 ハードウェアを調達する(その8-HDD-II)
 
 さて、調達しましたよ。SCSI-HDDとLVDケーブル。それに何故かCD-Rまで (^^; まぁいいか、これでAll-SCSI化できるし。

[SCSI-HDD]
 ブートできるように32GB以下のものという事で選んだのが「QUANTUM ATLAS V」。前回購入した奴の18GB版です。

[LVDケーブル]
 バルクを購入。LVDアクティブターミネータは付いていませんので別途入手しなくてはなりません。

[CD-R]
 「Ricoh CD-R/RW RW7040/s」をels氏より頂きました。今となっては遅いCD-Rですが、RW機能もありますし、換装しても損はないでしょう。

 PC-98&SCSIといえば思い出すのが悪名高き「55ボード」ですな。あの頃はNECも殿様商売だったんですけどねー。代理店の仕切値よりも普通の量販店の店頭価格が安かった事もありましたなー。これでも私、昔はNECの代理店に勤めていた事があったんですよ。Fシリーズ (FA/FS/FX)辺りまでですけどね...。


ATLAS V 18.3L

 さて、やっとブートできる高速な SCSI-HDDが入手できました。まだLVDターミネータが入手できていないので、とりあえずインストールだけ。

 下準備として、Windows98の起動ディスクで「DISKINIT.EXE」を実行、初期化を行っておきます。次にMS-DOS のFDで起動し、2GBをDOS用に確保、それからWindows2000の起動ディスクでWindows2000をインストールしました。

※Windows2000の起動ディスクはCD-ROM中の「BOOTDISK\NEC98」にある「MakeBoot.exe」で作る事ができます。

 普通にインストールは完了しましたが、今回はWindows2000で不思議な現象が起きています。一つはIE6 がインストールできないというもので、「デジタル署名がありません」というエラーが出てインストールができなくなってしまいます。もう一つはイベントログに「レジストリファイルをアンロードできません。」というのが報告され、 Windowsの終了に時間が掛かるようになった、というもの。

 どちらも前回のインストール時には起きなかった現象なのですが...?これは宿題としておきますか。

 


 それと、もう一つ面白い現象が。

 LVDケーブルを入手していないのでSEで動作させようと思い、普通の68芯フラットケーブルにATLAS V 18.3LATLAS V 36.7Lを繋いで端のHDDのターミネータをONにすると起動しなくなってしまいました。SCSI-IDがカブってるとかいうオチはありません。ターミネータをOFFにするとちゃんと起動します...ですが、この状態でフラットケーブルのコネクタ位置を変更すると、また起動しなくなってしまいます。具体的には2台目のHDDの後ろに余計なケーブルが余っていると駄目なようです。

 SCSI機器には基本的にターミネータが必要(必須)な事は知っています。...ですが、内蔵ターミネータをONにすると動作しなくなるという現象は初めてでした。ケーブルを余らせると動作しないのは信号の輻射のせいであろう事は容易に想像できますが。

 実はLVDケーブルは入手したのですが、何の手違いか1デバイス用でした(本来頼んでいたのは2デバイス用、在庫がないからと代替品を示されたが、いざ現物が届いてみるとこれが1デバイス用だった...という訳)。Ra40では2デバイス用のケーブルでも「届かない」事に気付いたので、返品せずに手元に置いてあります。

 Ra40が本来装備しているIDEドライブの位置にSCSI-HDDを置いて、もう一台をCPUの上のスペースに置こうとすると「4デバイス用の SCSIケーブルが必要」になります。

 現在68芯フラットケーブル/LVDターミネータなしで何の問題もなく動作しています。実際に転送速度がどれだけ出ているのかをまだ調べていませんが、おそらくSEでしょうから40MB/sでしょう。ターミネータなしでLVD動作していたら笑っちゃいますが...(^^;  LVDターミネータが入手できたら、またご報告します。


Ricoh CD-R/RW RW7040/s
 
 頂き物です。SCSIのCD-R/RWで、 x4/x4/x20です。内蔵のATAPI ドライブと交換しました。こちらはCHANPON3の内部50pinコネクタに単独で接続されています。ケーブルは50芯スマートケーブルで、これまた頂き物です。

 最近、SCSIの内蔵CD-R/RWドライブは見かけませんが、中古なら x12/x4/x24程度のものが1万円以下で購入できます。

 折角なので、一つ余っていた「B's Recorder GOLD」をインストール。4倍速で正常にCD-Rが焼けるのを確認しました。

 ...結果的にRa40は ALL-SCSIマシンになってしまいました。IDEケーブルも抜く事ができますので、ケーブルの取り回しが若干楽になりました。ヒートシンクと干渉しなくなったのもいい感じです。


 GH-TM68LVD

 やっとLVDターミネータを入手しました。GreenHouseGH-TM68LVDです。GH-TM68LVDは SE/LVD対応のターミネータで、3つのLEDにより、SE/LVDの状態とターミネートパワーの状態が視覚的に判別できます。
 

[SE/LVDターミネータ]

 サクっと68芯フラットケーブルの端に装着。思った通りでした。「思った通り」とは...LVDケーブルがすだれ状になっているのは、隣り合った信号線とGNDがツイストペアになってるからで、それ以外結線上の違いはない事から、この仕様は「外部からのノイズの干渉を防ぎケーブルの最大長を伸ばす」ためだけにある。つまり、

充分に短い 68芯フラットケーブルで、そこそこの品質が確保できていれば、わざわざ高価なLVDケーブルを購入しなくとも普通の68芯フラットケーブルでLVD接続できる

 という持論の事です...もちろんLVDターミネータが必須なのは言うまでもない事ですが。

 実際に動作させてみました。GH-TM68LVDの LEDを確認するとターミネートパワーとLVDにランプが点灯しています。MS-DOSを起動し、CHANPON3の PC-9821用BIOSアーカイブに含まれる「MENU.EXE」でSCSIの状態を調べるとちゃんと「Ultra2Wide」の80MB/sになっています。さらにWindows2000を起動して色々試してみましたが、特に問題はありませんでした。


小休止(その5)

 イベントログに「レジストリファイルをアンロードできません。」というのが報告され、 Windowsの終了に時間が掛かるようになったという件は、WinFaqにありました。「Windows Update 実行後、Windows 2000 のシャットダウンに時間がかかります」という奴です。

 IE6が「デジタル署名がありません」というエラーを吐いてインストールできないという件も解決しましたが、こちらは頭の痛い問題となりました。

 「P698ACC」を入れているにも関わらず、挙動不審になったり、ブルーバックで落ちたり(Unknown Hard Error)したので、メモリをPK98-128MX2EDOから、ジャンクの32MB×2に変更してみました。すると、安定稼動するようになり、IE6も素直にインストールできました。結論から言うと

「PC- 9821ではメモリコントロールのための負荷が高く、メモリチップの数が増えるに従って挙動不審になってしまう」

 ...という事のような気がします。Ra40が ECCメモリを必要とする原因の一つにはコレがあるのではないでしょうか?最大メモリ搭載量が256MBになっているのも。「P698ACC」でメモリタイミングを狂わせて正常動作したりしなかったりするのも、シビアなバランスの上で動作しているという事の表れでしょう。

 タイミングの悪い事にバーテックスメモリーさんで販売されていた、バッファ機能付きの「EDO ECC 72pin SIMM」は在庫切れとなってしまったようです。部品(資材)が調達できれば販売を再開するとの事ですが...。


 TK-U12FYLBK

 もう一つハードを追加しておきます。それはUSBキーボードです。何故、USBキーボードなのか?

 一つは「98キーボードに違和感を感じるようになっている」という事です。PS/2キーボードに慣れた今となっては「Ctrl+XFER」でIMEをON/OFFするのが苦痛になってきています。もちろん、これは私だけかもしれませんが。

 もう一つは「PC-98キーボードを温存したい」という理由です。定格で動作させている場合、パソコンが壊れる時は人間が触るインターフェイスから壊れていきます。キーボードやマウスが主ですね。今やPC-98キーボードの入手も難しくなってきていますので、できるだけ使わないことにしたかったのです(後期のPC-98キーボードはこれまた安っぽいメンブレン方式なのでそうそう壊れるとは思えませんが)。

 問題点がない訳ではありません。当然、MS-DOSでは利用できませんし、トラブル時にも利用できなくなります。しかし、上記の理由から導入のメリットは大きいのでUSBキーボードを購入する事にしました。



 購入したのはELECOM TK-U12FYLBKで、普通のUSBキーボードです。1,980円で購入しました。質感はPS2用のキーボードみたいに安っぽいです(^^; ですが、その性質上壊れる事はまずないでしょう。このキーボード、贅沢な事に青色LEDが3つも使われています。一昔前ならこれだけで3,000円程度はしたのですが...(ToT) その青色LEDは高輝度タイプなので、光が目に入ってくると眩しくて仕方ありません...安いので我慢しておきますか。

 ドライバのインストールは解ってしまえば簡単です。まず、Windows2000のCD-ROM(PC/AT用)のi386フォルダから「input.in_」、「keyboard.in_」をコピーし、EXTRACT.EXEや互換アーカイバで解凍します。解凍して出来た「input.inf」「keyboard.inf」を「input_at.inf」「keyboard_at.inf」等にリネームして「WinNT\ inf」へコピーします。そしてそれぞれを右クリックして「インストール」し、再起動。その後USBキーボードを接続すればキーボードが使えるようになります。

 もし、この時点で動作しなかった場合にはデバイスマネージャで「HID準拠デバイス」を開き、ドライバの更新を行います。「NEC USBキーボード」にすればOKです。この際、「\」や「_」が入力できない場合には、一旦「PS/2 106キーボード」をインストールしてから「NEC USBキーボード」に戻すとキーボードレイアウトが正しくなります。この他のトラブルはコントロールパネルのキーボードで確認して下さい。PC-98キーボードと併用できる場合がありますが、この場合PC-98キーボードでは一部の文字が正しく入力できなくなります。

 私は2つのキーボードを同時に接続しています。理由ですが、MS-DOS利用時に繋ぎ直すのが面倒なのと、98の起動メニューでは USBキーボードからの入力を受け付けないからです(当然ですが)。

 これで、Windows2000を使う時には「PC-98」を意識しなくて済むようになりました。まるで、PC-98の筐体に「PL-Renaissance/98」を入れたかのようです(^^;

 

 ハードウェアを調達する(その9- USB関連)

 ...よくよく考えたら、マウスとキーボードを付けた時点でUSBの空きコネクタがありません。これではあまりにも不便です。CHANPON3には確かに内部USBコネクタが存在しますが、これを外部に引き出すのは美しくありませんし...。

 で、思い出したのがまたまたels氏から頂いた奇怪なブツです。これはPCIスロットに装着するUSB1.1ハブで、ブラケットにはアップストリーム用のコネクタが一つと、通常のAコネクタが4つ並んでいます。PCIコネクタはありません...つまりPCI/ISAスロットを一つ消費するだけのUSB ハブな訳です。これをRa40に装備しようという魂胆です。

[USBハブ]
PCIスロットに装着するUSBハブ

 接続にはUSBケーブルが必要で、PC本体のUSBコネクタからこのハブのアップストリーム用のコネクタに接続すると4ポートハブとして機能します。これを装着する事によって、USB2.0/1.1のコネクタが2つ、USB1.1のコネクタが4つ利用できるようになります。これだとハブに低速なデバイス (キーボードやマウス)、高速なデバイスをCHANPON3のブラケットにあるコネクタに接続する事が可能になります。

 装着するにはPCIスロットが必要ですが、もう空きはありません。...となるとCバススロットに付ける事になる訳ですが、専用ブラケットが必要になります。よって、先述のCBUS-HENKANを手配しました(念のため2個^^;)。

 このハブはバスパワードでも動作しますが、念のために内部コネクタ(FDD用と同じ)から電源を供給する事にします。電源ケーブルはジャンクを利用できそうです。アップストリームコネクタとCHANPON3の内部USBコネクタをUSBケーブルで接続するためには、結局一旦ケーブルを外に引き出さなくてはなりません。これは流石に美しくないので、USBハブのアップストリームコネクタ部にハンダ付けで直接ケーブルを接続する事にしました(たかだか4本ですし)。ブラケットにあるアップストリームコネクタは蓋をしてやれば外観を損なう事はないでしょう。

 問題はCHANPON3の内部USBコネクタ部です。普通のUSBケーブルだとRa40の場合、USBのコネクタが邪魔してケースが閉まりません。L字型(ライトアングル)、またはコネクタ部が可動式になっているUSBケーブルがあればいいのですが、そんなもの見かけた事がありません(コネクタには裏表があるのでまず出ないでしょう)。ケーブルのコネクタ部を加工するか、あるいはコネクタの小さいスリムタイプのUSBケーブルを調達しなくてはならないでしょう。
CBUS-HENKAN

 ただのブラケットですが、装着時にはちょっとした作業が必要となります。ネジ止め?...いやいや、裏側からの固定です。このブラケット、アイデア的には手放しで褒められるシロモノですが、実際に使用していると困った事が起きる事があります。

 その構造上、ネジ一本で固定されているため、HDDの振動等によって不快なノイズを発生させるのです(ネジ止めしてもPCIブラケットの先端部に遊びがあるため)。ブラケットの先端か、ブラケットの裏の支持部がバネ構造になっていればそれを防げるのですが、製造コストが上がってしまいますしね。ここは知恵を使ってなんとかする事にします。

 ノイズ対策は簡単で、裏側から絶縁テープ等で固定してやればいいのです。テープで裏面から隙間なく固定するのが望ましいのですが、ブラケットの表からホコリが入ってきてテープの粘着面に付着しますので、PCIブラケットの先端部のみ固定してやるといいでしょう。また、薄いスポンジの付いたテープを使えばホコリの進入を防ぐ事ができます。
USB-HUB

 ...名称不明なんでご容赦を(^^; チップには「TUSB2046」の文字があります。PC/AT互換機で試したところ、バスパワーでの正常動作を確認できました。早速Ra40に装着するための作業を開始します。

 まず、Cバスブラケットから電源までは距離があるので、セルフパワー用の電源ケーブルを作ります。ハブにはFDDと同じコネクタが付いていますので、ジャンクの電源分岐ケーブルを再利用して作ります。ハブは5Vしか使っていないので、2本配線すればOKです。同じ事をやるヒトはまずいないと思いますが、くれぐれも5Vと12Vを間違えないようにして下さい。

 次は内部配線用のUSBケーブルです。市販のUSBケーブルの片側を切断し、ハブのアップストリームコネクタの端子に直接ハンダ付けします。Aコネクタはスリムケーブルの短いものでも干渉しますので、コネクタカバーを短くカットします。作業が終わったらケーブルをハブの基板にホットボンドや絶縁テープで固定しておきます。

 最後にアップストリームコネクタを外部から使えなくするため、ブラケットとコネクタの隙間に適当な素材を挟んで目張りをし、CBUS-HENKANにセットします。先述のノイズ対策も忘れずにやっておきます。これでハブ側の作業は完了です。

 いざ、装着。電源ケーブルや内部USB接続ケーブルはCバス籠の隙間から通します。配線が終わったらスイッチON。...当然ながら(動作テストは行ってありますからね、事前に)普通に使えます(^^; めでたしめでたし。

 ソフトウェアのセットアップ(その8-MS-DOS)

 すっかり忘れておりました。MS-DOSの事を。PC- 98を使うのならMS-DOS は避けては通れない道です(多分)。

 まずやらなくてはならないのはEMM386.EXEの登録です...「当たり前だろ?」って、ちょっと違います。実は、PC-98 に対応していない VIDEOカードを装着すると、EMM386.EXEがエラーで止まり組み込めない事があるのです。詳しい理由は置いといて、「そういうものだ」と認識しておいて下さい。この問題は「maskVGA」をCONFIG.SYSに組み込む事で回避できます。

 次はCD-ROMです。CD-ROMをDOSから認識させるには、通常NECCD.SYS(A~M) をCONFIG.SYSに登録し、AUTOEXEC.BATにMSCDEX.EXEを記述するのが一般ですが、「一般的ではないSCSIホストアダプタ」を使う場合にはそのカードに付属のSCSIドライバを組み込む必要があります。今は無きICMのSCSIカードを持っている場合で、ドライバディスクがない場合にはICM 関連のファイルを配布しているサイトからDL。さらにカードにPC-98用のドライバがない場合に「CD-SD Mini」等の汎用ドライバを使う事になります。

 あと、古い機種でMS-DOS6.2を使っているヒトは「121ware.com」から「MS-DOSアップデータ」を忘れずにDLしておくといいでしょう。

 ここから先の環境設定はそれこそ千差万別なので割愛させて頂きます。時間が許せば、後日「LAN Manager」の設定なんかをやるかもしれません。以前やったノート用の「LAN Manager」の設定はこんな感じです。

小休止(その6)
雑談より...
・PC-98のメモリ
 「P698ACC.BIN」を書き換えてみた。...結果はやはりNG。最も遅いセッティングは「Intelsat」で言う所の「58 03」「54 80」だと思う。「P698ACC.BIN」のアドレスはそれぞれ0x131と0x143だ。Ra40のデフォルトは「58 1A」「54 80」で、「P698ACC」の設定は「58 2C」「54 7F」になっている。「54 80」はそのままで「58」を「00/02/03」等の遅い設定に変えてみたが、調子のいい時は普通に動作するが、ヘソを曲げるとブルーバックで落ちてしまう。

 一度や二度、正常に起動してベンチマーク取れたというのは「安定動作」とは言わないので、結局、元のメモリに戻して「128MB」という事になった。一度、あの高速動作を体感すると、是が非でも320MBメモリで動作させたい所でしたが...残念。

 ...つまり、どんなセッティングをしても「PK98-128MX2EDO」はまともに動作しなかったという事です。そう「EDO」では。

 最後のあがきと、「memsetup」で「EDO」から「FastPage」に設定を変更して再起動。これで駄目なら完全に打つ手無しとなります。最悪の場合「PK98-128MX2EDO」は売りに出すつもりでした。

 ...が、あっさり動作。メモリ関連のエラーは皆無で、動作中にブルーバックで落ちることもなくなりました。これでようやくRa40の性能/機能の改善に終止符が打てそうです。さて、久しぶりにベンチマークを取ってみますか。

[ベンチ006]

 えー残念なお知らせがあります。128MBでEDO動作した時のベンチマークと320MBでFastPage動作時のベンチマークは変わらないのです。もちろん、体感上では向上しているのですが...。これは、メモリ増加でスコアが向上するのに、その分FastPage動作でスコアが落ちるからです。PC-98の場合、EDO動作とFastPage動作では、3:2程度の違いがあります。ベンチマークの結果がすべてな方は「P698ACC.BIN」の設定を変更してみるといいかもしれません。私は現状の安定動作に満足していますので、マージンを切り詰める気はありませんが...。

 最後に、今回の一連の作業で自分なりに思った事をまとめる事にしたいと思います。
 

まとめ
 Ra40でのスペックアップについてのまとめです。

[メモリ]
 最優先で256MB以上にすべきです。デフォルトの32MBではWindows2000すらインストールできません。入手できるなら「バーテックスメモリー」さんの「EDO/ECC/72pin SIMM」や、PC-98で動作保証されているものを確保しましょう。「memsetup」をアテにしてノーブランドの大容量SIMMを購入すると、トラブルの元になります。

[CPU]
 「PL-iP3/T(Rev.2.0)」 +Coppermine PentiumIII/Celeronとなります。価格対性能比を考えるとCeleronをオススメしますが、絶対性能ではクロックが低くても PentiumIIIになります。間違ってもSlot1のCPUを購入しないように。

[ストレージインターフェイス]
 CHANPON3が入手できればいいのですが...PCIバスは2本と限られていますので、可能であればコンボカードの入手を勧めます。「CHANPON ZERO3-PCI」を利用するテもありますが、オススメはしません。

[VIDEOカード]
 PCIタイプのVIDEOカードを装着可能です。nVIDIA系をお勧めします。ロープロファイルの AGPを使えるアダプタもあることはあります。

[HDD]
 PC-98に負担を掛けないようにするためには、SCSIがいいでしょう。ALL-SCSI化すれば内蔵IDEケーブルを抜いたり、設定で内蔵HDDを切り離したりする事もできて都合がいいです。また、起動HDDは32GB以下でないとトラブルの元です。

[Cバス]
 Cバススロット用のカードはできるだけ利用しない方がいいでしょう。リソースの競合を自分で回避できる自信がなければやめておきましょう。



 半年に渡ってコツコツとRa40のスペックアップを行ってきましたが、想像以上に困難な道のりでした。

 ...そもそも8万円強もかけてRa40をいじる必要があるのでしょうか?実際、MS-DOSベースでしか使わないのであれば、ノーマル状態でも充分な訳です。いくらお金をかけても最新の PC/AT互換機のスペックを上回る事は不可能ですし、8万円もあれば高スペックのPC/AT互換機が自作できます。トラブルもPC-98の比ではありません。

 答えはありません。必要があるヒトには必要なのですから。PC/AT互換機用のバイナリの殆どが動作するWindowsは他にはまずありません (EPSONの98互換機やFM-TOWNSが存在しますが)。貴重なWindowsを動作させているというだけでも価値はあると思います。逆に必要ないヒトにはただの古いマシンでしかありません。

 確かに最新のマシンにエミュレータを載せた方がコストもかからずに高速動作できるかもしれません。ですが、エミュレータは所詮エミュレータでしかない訳です。しかし、実機でしか動作しないソフトが少なからずあるのも紛れもない事実です。

 どこかでPC-9821を見かけて、それが「PentiumIII 500MHz以上」または「Celeron 700MHz以上」で動作していたら「すごいねぇ」と誉めて(茶化して)あげましょう。彼らもここでやったような事を少なからずやっているハズですので...。

番外編(その1 - LAN Managerのインストール)

 折角、Windows2000のCD-ROMには「LAN Manager」が同梱されているのですから、MS-DOS環境でこれを使わないテはありません。以下にセットアップの要約を記載しておきます。

・TCP/IP接続とする
・IPはDHCPから割り振るものとする
・HDDはA:ドライブとする
・FDDはB:ドライブとする

1.
LAN Managerクライアントを「Windows2000 CD-ROM」からコピー(A:\LM)
2.
「A:\LM\Disk1」フォルダの中身をFD(B: \)にコピー。但し、ここから直接インストールできる場合にはその限りではない。
3.
HDDの「A:\LANMAN」フォルダの「MSLANMAN.DOS」フォルダをルート(A:\)に移動
4.
「B:\LMSETUP< RETURN>」でインストール開始
5.
「次のドライブからインストールします」でインストール元に「B:」を指定。インストール先は任意に設定(デフォルトで「A:\LANMAN.DOS」) -> [了解]
6.
「何をインストールしますか?」で「LAN Manager 拡張版」を指定 -> [了解]
7.
ファイルコピー開始
8.
「DOS WorkStation をドライブB:に挿入してください...」の所でパスに「A:\LM\DISK2」を指定 -> [了解]
9.
同様に「A:\LM\DISK3」を指定 -> [了解]
10.
「使用可能なネットワークアダプタドライバを選択して下さい」で <その他のドライバ>を選択
11.
「ドライバまたはプロトコルファイルのコピー」でドライバの場所に「A:」を指定 -> [了解]
12.
ドライバ「PC-9821X-B06互換...」-> [了解]
13.
「MS TCP/IP NDISドライバ」にチェックを入れる(カーソルを合わせてスペースキー) -> [了解]
14.
確認画面で[了解]
15.
「TCP/IP設定」画面で「DHCP」のみにチェックを入れる -> [了解]
16.
「ワークステーションの設定」画面で「コンピュータ名」「ユーザー名 (ドメインがなければ未入力で構わない)」「ドメイン名(なければ架空の名前で構わない)」を入力 -> [了解]
17.
「MS Windowsの設定」では「いいえ」にチェックを入れる -> [了解]
18.
「設定完了」画面で[保存]を押してインストール完了
19.
「AUTOEXEC.BAT」を確認、「MSCDEX.EXE」が「LAN Manager」の設定よりも前にあれば、一連の設定よりも後ろに記述する。

 これで、MS-DOSでネットワークが使えるようになりました。ネットワークドライブを割り当てるには「NET USE ドライブ名 UNCパス名」と入力します。切断するには「NET USE ドライブ名 /DELETE」と入力します。

 間違ってもHDDに格納されている「LANMAN」フォルダは削除しないで下さい。削除するのであれば事前にバックアップを取っておきましょう。LAN Managerドライバは「基本的に」DLできませんので...。

 普通「LAN Manager」の設定というと、メモリ消費の観点から「NetBEUI」を勧めている所が多いのですが、現在の状況を考えると「TCP/IP」にすべきでしょう。WindowsXP以降、NetBEUIは正式サポートされなくなったからです。
番外編(その2 - メモリタイミングの変更)

 「小休止(その6)」で、なんとか「PK98-128MX2EDO」を安定動作させる事に成功しました。しかし「どこまでメモリを高速化/安定化できるのか?」という実験をしこたまやったにも関わらず、このページではその方法を紹介していませんでした。そこで、今回は私が行った方法を再現してみたいと思います。

 用意するものは、MS-DOSの起動Disk、INTELSATIPLWareP698ACC、それとバイナリエディタです。これらをFDにまとめておきます。FDからテストを行うのは、HDDから起動不可になった時を考慮しての事です。

 まずP698ACCに含まれる「BINMOD.EXE」を実行して、動作方法を設定します。「P698ACC.BIN」のバックアップは必ず取っておきます。とりあえずINTELSATを起動してみましょう、コマンドラインから「INTELSAT /EDIT」です。

 レジスタの54hと58hを確認します。Ra40のデフォルトはそれぞれ「80」と「1A」になっているはずです。ビットの意味は画面右側に表示されていると思います。ここで値を変更しても、再起動すれば内容は失われますので意味がありません...そこで「P698ACC」を使ってこれらの値を変更しようという訳です。

 ソースを見ると解りますが「P698ACC」では「INTELSAT 54 [元の値 AND 7F]」、「INTELSAT 58 2C」同等の事をやっています。バイナリエディタで「P698ACC.BIN」を開いてみます。0x131と0x143がそれぞれ58hと54hにあたります。「P698ACC」を組み込んで不安定になった場合には、「ワンランク下のセッティングに変更して再トライ」を繰り返せば最適なポイントを見つける事ができます。以下の資料を参考に「P698ACC.BIN」をバイナリエディタで編集し、コマンドラインから「IPLWARE P698ACC.BIN」として組み込んでみて下さい。

54h(0x143) ※ANDを取る値を設定する事
58h(0x131)
ビット
意味

7
RAS Precharge Enabled

意味
1
4CLK
0
3CLK
6
(Reserved)  
5
(Reserved)  
4
(Reserved)  
3
(Reserved)  
2
(Reserved)  
1
Lower Memory Address Buffer Set A
 
0
(Reserved)  
 
ビット
意味

7
(Reserved)  
6
WCBR Mode Enable  
5:4
DRAM Read Burst Timing(BEDO/EDO/FP)

意味
11
(Reserved)
10 x2/x2/x3
01
x2/x3/x4
00
x3/x4/x4
3:2 DRAM Write Burst Timing(EDO/FP)

意味
11
x2/x3
10 x3/x3
01
x3/x4
00
x4/x4
1 RAS# to CAS# Delay

意味
1
1CLK
0
0CLK
0 MA Wait State

意味
1
 Wait+1
0
 

 この方法を使えば、メモリタイミングを高速化したり、逆に低速にして安定動作するポイントを模索する事ができます。メモリ関係で悩んでいる方は一度試してみるといいかもしれません。

 ...ちなみに私のRa40ではFastPageで「54h -> 00」「58h -> 1C」が限界でした。ベンチマークの伸びはごく僅かでしかありませんが(0.6%程度向上)、体感上のレスポンスは確かに向上しており、常用するかどうか真剣に悩んでいる所です(^^;


スペック

[改良後の背面]

ユニット オリジナル グレードアップ後
CPU ・Intel Celeron 400MHz(Mendocino/Socket 370/PPGA/66MHz)
・MSI MS6905(Slot1->Socket370)
・Intel Celeron 766MHz(Coppermine/Socket 370/FC-PGA/66MHz)
・PowerLeap PL-iP3/T(Slot1->Socket370) 
Memory TOTAL:32MB
・72pin EDO-SIMM(withECC) 16MB×2
TOTAL:320MB(FastPage動作)
・72pin EDO-SIMM(with ECC) 32MB×2
・72pin EDO-SIMM(without ECC) 128MB×2
VIDEO Trident TGUI9682TMXGi 2MB/PCI Trident TGUI9682TMXGi 2MB/PCI
・nVIDIA GeForce2MX400 64MB/PCI(PCI#2)
Sound ・オンボード MateX-PCM(ライン入出力/ヘッドホン出力/マイク入力) ・オンボード MateX-PCM(Cバススロットの下 未使用)
・C-Media CMI8738-6CH(C バススロット#3)
Keyboard Windows キー・アプリケーションキー付、PC-98用キーボード Windows キー・アプリケーションキー付、PC-98用キーボード
・ELECOM TK-U12FYLBK(109/USB)
Mouse ・2ボタン、PC-98バスマウス(丸型コネクタ) ・2ボタン、PC-98バスマウス(丸型コネクタ)
・Logitech USB光学式マウス
HDD TOTAL:6GB
・FUJITSU MPC3064AT (IDE/6GB/PIO)
TOTAL:50GB
・Quantum ATLAS V 18.3L (Ultra160-SCSI/18.3GB)
・Quantum ATLAS V 36.7L (Ultra160-SCSI/37.6GB) 
CD-ROM ・SONY CD-ROM CDU701(ATAPI/x24) ・Ricoh CD-R/RW RW7040/s(SCSI/x4/x4/x20) 
USB (N/A) ・USB2.0/1.1(PCI#1 2ポート/内部コネクタはハブとの接続に使用)
・USB1.1ハブ(Cバススロット#2 4ポート)
SCSI (N/A) ・Ultra2WideSCSI/UltraSCSI(PCI#1)
FDD ・3モード(640MB/1.25MB/1.44MB) (変更なし)
Serial
・RS-232C (2ポート/D-SUB 25pin & D-SUB 9pin)
(変更なし)
Parallel
・プリンタポート(ハーフピッチ36ピン)
(変更なし)
LAN ・オンボードPCI 10BASE-T/100BASE-TX (変更なし)

投資額

パーツ 用途/詳細 購入先 価格(税別)
72pin EDO-SIMM EDO/ECC/60ns,32MB& times;2(ジャンク) --- 0円
玄人志向 PK98-128MX2EDO EDO/nonECC/60ns,128MB×2 OVERTOP II 14,800 円
玄人志向 CHANPON3 Ultra2WideSCSI/USB2.0インターフェイス/サウンド機能複合カード インターネットあきばお~ 17,800 円
Hikari ユニホビー 素材シリーズ HA1013 100mm×300mmアルミ板
HDDマウント用×2
ホームセンターサンコー
(DIYショップ)
500円
ミリネジ 3mm×10mm
HDDマウント用
HIヒロセ
(DIYショップ)
120円
ローレットミリネジ 3mm×8mm
アクセサリ用×3
HIヒロセ
(DIYショップ)
720円
玄人志向 GF2MX400-PCI64 VIDEOカード
nVIDIA GeForce2MX400 64MB/PCI
ステップアップPC(SUPC) 7,480 円
レギュレータ用ヒートシンク (ジャンク) --- 0 円
CD-ROMオーディオケーブル (ジャンク) --- 0 円
QUANTUM ATLAS V 18.3L Ultra160-SCSI HDD 18.3GB/起動用  じゃんぱら 7,980円
QUANTUM ATLAS V 36.7L Ultra160-SCSI HDD 36.7GB/データ用 じゃんぱら 12,800円
Ricoh CD-R/RW RW7040/s SCSI CD-R/RW(x4/x4/x20) --- 0円
ディスプレイ延長ケーブル ディスプレイ切り替え用 COMPUTOWN 980円
フラットケーブル ディスプレイ切り替え用(ジャンク) --- 0円
D-Sub用コネクタカバー ディスプレイ切り替え用×2 パーツのフジオカ 700円
Logitech USBマウス バルク/光学式/USB パソコン工房 2,480円
PowerLeap PL-iP3/T(Rev.2.0) Slot1 ->Socket370変換アダプタ パソコン工房 3,980円
Intel Celeron 766MHz Coppermine/FSB-66MHz/Socket370(FC-PGA) アークジャパン 5,200 円
HDD マウンタ HDD放熱用 パソコン工房 980 円
68芯 フラットケーブル SCSI-HDD接続用(4デバイス) --- 0円
50 芯 スマートケーブル SCSI -CD-ROM接続用(2デバイス) --- 0円
GreenHouse GH-TM68LVD SCSI -HDD終端用 SE/LVDターミネータ パソQ
4,280円
ELECOM TK-U12FYLBK USB キーボード
パソコン工房 1,980 円
玄人志向 CBUS-HENKAN Cバススロット用PCI/ISAブラケット OVERTOP II 1,000円
PCI/ISAスロット用USB1.1ハブ (頂き物) --- 0円
USB スリムケーブル
ハブ<->CHANPON3内部接続用 COMPUTOWN 680円
合 計 84,460円

 

※地方だと、実際には相当な送料/手数料/代引き手数料が発生します(ToT)

to be continued...?