(2015/09/01~)
2015/09/01

RAD Studio 10 Seattle

XE9 ではなかったのね。RAD Studio 10 Seattle がリリースされました。

キャンペーンが開始されていますが、キャンペーンの価格はアップデートサブスクリプション抜きの価格ですのでご注意!また、9/29 まではアップデートサブスクリプションに加入しなくてもキャンペーン価格で購入できますが、それを過ぎるとキャンペーン価格の適用はアップデートサブスクリプション加入とセットになります。今回は 9/29 までならバージョンアップ対象者でなくてもキャンペーン価格で購入できます (Delphi 1~XE8 ユーザで同一価格)。

以下はダウンロードリンクです。

*1 は事前に DL する方向けで、*2 は登録ユーザ向けの DL となります…つまり、*1 はアップデートサブスクリプション加入者が初回インストールのために使うものです (アップデートサブスクリプション加入者向けの Web インストーラの DL 先はメールで送られてきます)。

機能一覧に New in 10 Seattle! とある機能は以下の通りです。

機能一覧にしか載ってない新機能がまれにあったりするので念のために。

アップデートサブスクリプション加入者へは本日中にはプロダクトキー等の案内があるかと思います。ありました。件名は [Embarcadero RAD Studio 10 Seattle、Delphi 10 Seattleおよび C++Builder 10 Seattle アップグレード - オフィシャルメンテナンス通知] となっています。メールが迷惑フォルダに行っていないか確認してください。

RAD Studio 10 Seattle 購入シミュレーションツール

どれだけの需要があるかは不明ですが、一応今回も作ってみました。

※ 正確な金額は 価格表 を参照してください。
※ XE8 の時と違い、Starter / アカデミック版にもアップデートサブスクリプションが用意されています。これは朗報!


2015/09/02

RAD Studio 10 Seattle

難儀しましたが、なんとかインストールを完了しました。

何を難儀したかと言うと、多分 WiMAX2+ の帯域制限。WiMAX2+ を酷使したつもりはないけれど、昨日 PC を再起動した時に Windows Update が走ったので、バックグラウンドでイロイロ DL して帯域制限に引っ掛かってしまったのだろうと推測。月初なのでそうそう簡単に帯域制限に引っ掛かるハズはないし、動画の類も一切観ていないからだ。

作業中にチマチマリトライを繰り返し (ボタンを押し) て DL &インストールが完了したと思ったら、最後の Windows Software Development Kit のインストーラで詰んだ。アイツはリトライしてくれるけど、途中からはやってくれないっぽい。しかもリトライになるまでの時間がやたら長い。

そこで、修復セットアップを敢行。インストーラは DL されているので再セットアップはサクッと進む。ここまでは WinMAX2+ で作業。そして…

  1. Windows Software Development Kit のインストールになったら、インストーラをディスクに残す設定にする。
  2. 回線を Aquos K (SHF31) のテザリング (LTE) に切り替え。
  3. Windows Software Development Kit のインストーラが DL 完了。
  4. 回線を WiMAX2+ に戻す。
  5. 保存フォルダに DL された Windows Software Development Kit インストーラを手動で実行。

この手順でうまくいった。Android SDK / NDK でも同じような罠にハマると思うけれど、僕の場合には既に Android SDK / NDK をインストールしてあったので、DL はせずに後で設定だけ行った。まぁマトモな回線を引いていればこんな苦労はしなくて済むと思う。ちなみに ISO のダウンロードも途中で止まってダメだった (ダウンローダーを幾つか試したけどこれもダメ)。

それはそうと、Seattle って綴りは入力し慣れておらず Satellite って入力しそうになりますね。Sate って入力してから気付くんですよねぇ (w

Java2OP (RAD Studio 10 Seattle)

XE8 の Java2OP はそのままではマトモに動作しなかったけれど、10 Seattle の Java2OP は最初から bootclasses.jar / bootclasses.xml が用意されているのでちゃんと動作するようだ。但し、API レベルは 19 のまま。殆どの機能は API レベル 19 で事足りるとは思うけれど、10 Seattle のデフォルトの API レベルと一致していないのは少々気持ち悪い。

GetIt (RAD Studio 10 Seattle)

モダンになりました。

XE8 のがひどすぎたという話もあります。これってショーケースなんだから、それなりにキレイに作りこもうよ。

GetIt は IDE に直接実装されている訳ではない (と思う) ので、XE8 にもバックポートしてくれるといいんですが。

[Windows 10] パレットページ (RAD Studio 10 Seattle)

10 Seattle では VCL コンポーネントに [Windows 10] パレットページが追加されています。

難しいようですが、実際にやってみれば簡単です。

See Also:

コンパイル状況表示 (RAD Studio 10 Seattle)

10 Seattle のコンパイル状況表示はのっぺりとしていて好きになれません。

XE8 と同じだと何の問題があったと言うのでしょうか?

問題ないトコはあまりいじってほしくないのですが。このスタイルにするなら "ヒント / 警告 / エラー" などの表示は右寄せではなく左寄せにしないと見にくいと思います。

追記: 2015/09/03

…って書いてたら

10 Seattle用にコンパイル進行状況ウィンドウの各パネルを凹ませるだけのプラグイン作った http://t.co/qOZnxWYuiW #delphi_jp pic.twitter.com/WE5CfB1LS4

— Lyna (@lynatan) 2015, 9月 2

これには大爆笑!

IDE の憂鬱 (Blue IDE) (RAD Studio 10 Seattle)

XE8 からですが、IDE とツールバーが薄ら青く Windows 10 等とマッチしません (誰得やねん、この配色)。細川さんがカッとなってバージョンアップされたものがありますので有難く使わせて頂くことにします。

カッとなってバージョンアップした。 https://t.co/q3FvAMI7V8 pic.twitter.com/5f90IU9W7T

— HOSOKAWA Jun (@pik) 2015, 9月 1

僕は Windows 10 を使っているので以下のような設定にしてみました。

ああ、スッキリ。なお、今回はコミュニティツールバーの色もちゃんと色変更に追従します。

痛 IDE (RAD Studio 10 Seattle)

らいなタンさんが早速 10 Seattle 対応版をリリースされた模様。

痛IDEプラグイン for RAD Studio Ver.0.0.11。 http://t.co/q7qqc1um7k #delphi_jp

— Lyna (@lynatan) 2015, 9月 1

コードエディタのフォントサイズ変更 (RAD Studio 10 Seattle)

昨日コッソリ書いていますが、〔Ctrl〕+〔Num +〕/〔Ctrl〕+〔Num -〕でコードエディタのフォントサイズを動的に変更できるようになっています。むしろ「何故今まで付けていなかった!」と思える機能です。

非ビジュアルコンポーネントの非表示 (RAD Studio 10 Seattle)

フォームデザイナを右クリック、あるいは〔Ctrl〕+〔H〕で非ビジュアルコンポーネントを表示/非表示にできます (ツールバーにもボタンがあります)。非ビジュアルコンポーネント置き場を作る方向にはならなかったようです。まぁ、データモジュールに置けばスッキリはするのですが、ポップアップメニュー等 (アプリケーションの実装上) データモジュールに置けないものもありますからね。

プロパティの絞り込み (RAD Studio 10 Seattle)

10 Seattle ではオブジェクトインスペクタに検索ボックスが配置されており、ここにキーワードを入力する事でプロパティやイベントを絞り込むことができるようになりました (包括一致)。

これは便利です。TMS のコンポーネントのようにアフォみたいにプロパティが多いコンポーネントでは重宝する事でしょう (w

マルチモニタ構成のサポートの向上 (RAD Studio 10 Seattle)

僕は以前からマルチモニタ環境ですが、ちょっとよくわかりません。「IDE でのマルチモニタのサポートが向上し、ほとんどのフォームやペインをさまざまなセカンダリ モニタに配置できるようになりました。 」 とか 「2番目の画面にフォームやペインを配置可能」 とかいうのは以前からできています。

見つけた違いと言えば、マルチモニタ環境でセカンダリにペインを置いた状態でシングルディスプレイにした時の挙動です。従来ではペインが行方不明になっていましたが、10 Seattle ではちゃんとプライマリモニタに戻ってきます。このサイトにある Tips 的な事をやるようになったという事でしょうか?

構造ペインのアイコン (RAD Studio 10 Seattle)

構造ペインのコンポーネントアイコンですが、ツールパレットのアイコンと同じものが表示されるようになりました。

C++Builder のコンパイラ (RAD Studio 10 Seattle)

32 ビット Windows 用コンパイラ BCC32C が追加され、OS X 用以外のコンパイラは Clang ベース (LLVM) になりました。ただ、従来の 32 ビット Windows 用コンパイラ である BCC32 は未だ利用可能です…BCC32 が BCC32C で置き換えられたわけではありません。

従来ですと、C++Builder では 32bit / 64bit でコンパイラの素性が違うため、コードの記述に互換性がない事がありましたが、今回の BCC32C 追加によりこれが解消されました。Delphi との親和性においては BCC32 (C++) と DCC32(Delphi) の関係のようにはいかないでしょうが、C++Builder 単体製品で見ると Clang ベースのコンパイラを使う方が対称性があって自然だと思います…32bit / 64bit バイナリ用のソースコードがほぼ同一で済みますから。残るは OS X コンパイラですね。

32bit Windows アプリケーション用に使用されるコンパイラはデフォルトで (従来の) BCC32 になります。Clang ベース の BCC32C を使うようにするには、プロジェクトオプションで "従来の Borland コンパイラを使用" のチェックを外す必要があります。


2015/09/05

3分で読む 2009 からの RAD Studio の歴史

細かい事は抜きにして、(主に) コンパイラベースでみるとこんな感じです。

RAD Studio 2009

RAD Studio 2010

RAD Studio XE

RAD Studio XE2

RAD Studio XE3

RAD Studio XE4

RAD Studio XE5

RAD Studio XE6

RAD Studio XE7

RAD Studio XE8

RAD Studio 10 Seattle

そんなこんなで RAD Studio には現在 14 個のネイティブコンパイラが含まれています…頭おかしいです (褒め言葉)。

※ この記事には主観と偏見がふんだんに盛り込まれていますので、決して鵜呑みにはしないでください (大体あってますけど)。


2015/09/08

おのれ Castalia!

10 Seattle では Castallia の機能をオフにしようとしても /NOCASTALIA オプションは効かないようです。

それはともかく、10 Seattle ではコードパラメータ補完が効きません (〔Shift〕+〔Ctrl〕+〔SPACE〕は効きます…イチイチ押さなければなりませんが)。

例えば ShowMessage() のパラメータを参照しようとして "ShowMessage(" まで入力すると、コードパラメータ補完によりパラメータがポップアップされるハズなのですが…されません。この問題は Castalia (相当の) キーバインドを一部無効にする事で解決できます。

具体的には [ツール|オプション...|エディタ設定|キーの割り当て]で スマート囲みキー を殺します。

See Also:


2015/09/09

10 Seattle での StringGrid

10 Seattle では設計時に設定した (VCL) の TStringGrid のサイズ (ColWidths / RowHeights) が *.dfm に保存されず、DefaultRowHeight / DefaultColWidth で初期化されてしまいます。

この問題は、恐らくサードパーティ製を含む多くのグリッドコンポーネントが影響を受けます。

端的に言えば、既存の VCL プロジェクトを 10 Seattle で開くと設計時に設定したセルサイズが初期化されて阿鼻叫喚という事になります。もちろん、コードでセルサイズを指定するようにすればいいのですが、StringGrid を使っているフォームがあまりにも多い場合には検証も大変です…よって、VCL アプリケーションのマイグレーションはこの問題が解決するまで待った方がいいかと思います。

See Also:


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