ブレッドボードについて。
ブレッドボードの外観はこんな感じです (Half+)。
内部でこのように結線されていますので、ここにパーツやジャンパーワイヤーを挿して使います。ブレッドボードの穴と穴の間隔は 2.54mm、つまり 1/10インチ (100mil) です。
裏面は両面テープシートが貼られている事が多いのですが、両面テープそのものを剥がしてしまうとブレッドボード内部の板バネが外れてしまいます。中途半端に剥がれてしまった場合には全部キレイに剥ぎ取って、荷造り用の透明テープか養生テープでも貼りましょう。
電源レーンの GND 側が上になるように設置した場合 (上から青赤)、左から 0 (または 1), 2, 3...となっていると思いますが、上から A, B, C...になっているか、下から a, b, c...になっているかはメーカーによってまちまちなので、穴の指定に座標として扱うのは得策ではありません。別のブレッドボードを持っている人が混乱するだけです。
それと...お気付きでしょうが、ブレッドボードには上下があります。ひっくり返すと電源レーンが青赤から赤青になります。
蟻溝 (ありみぞ) があるのでブレッドボード同士を連結する事が可能ですが、蟻溝の位置やサイズがメーカーによって異なるので同一メーカー/同一型番で揃えた方がいいでしょう。
裏面の両面テープをカッターナイフで切れば、電源レーンは分割できます。これも蟻溝で接合されているので、元に戻すことが可能です。
ホール間が 0.1 インチなので、すべての寸法をインチで統一してあれば問題はないのですが、外形をミリで作っているメーカーもあり、ブレッドボード同士を結合するとピッチがズレる事が多いです。
ハンダ付け用冶具として、専用に安物を買っておくのもいいかと思います。
よくみるブレッドボードです。10桁(5x2)、63列。電源レーンが上下にあります。短辺同士は連結できないものが多いです。
スターターキットに付属しているものはこのタイプが多い気がします。慣れないうちは穴が多い方が組みやすいですしね。粗悪品は反りがひどかったり、挿抜がスムーズでなかったりします。
電源レーンの幅についてはこんな感じです (単位はインチ)。
※電源レーンの幅はメーカーによって異なります。
電源レーンに穴のない所があるので、0.27inch で挿せる場所と、0.29inch になる場所があります。理屈的にジャンパーケーブルは一つ斜めに挿した方が挿しやすいと思います。
電源レーンの赤青の線が中央で分断されているタイプのブレッドボードもあります。
このブレッドボードは内部配線が中央で切れており、ジャンパーで接続しないと左右のラインが繋がりません。逆に言えば左右で独立した回路を組む事も可能という事です。
こちらもよくみるブレッドボードです。10桁(5x2)、30列。電源レーンが上下にあります。長辺同士も短辺同士も連結できるものが多いです。
粗悪品はフルサイズのブレッドボード程ではないにせよ反りがあり、挿抜もスムーズでなかったりします。
電源レーンの穴が半ピッチずれています。このため、電源レーンまでの最短距離はどこからでも同じです。
※電源レーンの幅はメーカーによって異なります。
粗悪品が多いので新しく買い増す勇気がありません。後述する SAD-101 や EIC-3901 は間違いないですからねぇ...。
ミニブレッドボードです。10桁(5x2)、17列。電源レーンはありません。
複数持っておくと便利です。連結できるものとできないものがありますが、場合によっては連結できない方がいい事もあります。
連結できないタイプには長いボードが挿せます。もちろん継ぎ目にあるピンは使う事ができませんが、それでもなんとかなる事が多いでしょう。連結できるタイプのものはこれができません。
ハーフサイズのブレッドボードです。12桁(6x2)、30列。電源レーンが下にのみあります。長辺同士も短辺同士も連結できます。
日本で入手できるのはサンハヤトの SAD-101 ですが、元は K&H の AD-101のようです。
幅の広いボードを挿すのに都合がいいです (ESP32-DevKitC 等に最適です)。普通のブレッドボードは A-E・F-J の 5 穴ですが、これは A-F・G-L の 6 穴です。
電源レーンの電源側 (赤) は中央で分断されていますが、ジャンパーで接続されています。
電源レーンの幅についてはこんな感じです。素直に 0.1inch ピッチなので、とても扱いやすい反面、6 穴用板バネを採用している都合上 Half+ よりも電源レーンの穴が一列少ないです。
ブレッドボード用電源が使えない件は別の電源を使いましょう。
蟻溝が逆なので、SAD-101 と互換性はありませんが、安価な 6 穴ブレッドボード EIC-3901 も販売されています。
SAD-101 に比べるとわずかに挿しにくい気がしますが、粗悪品の Half+ に比べたら全然マトモです。
あまり見かけません。
恐らく古いタイプのブレッドボードなのでしょう。海外でしか売られていませんし、古い記事にしか出てきません。
あまり見かけません。
こちらも古いタイプのブレッドボードなのでしょう。Half+ と違って電源レーンが半ピッチずれていません。
この製品はブレッドボードではありません。ブレッドボードに構築した回路をそのまま移設するのに使います。プロトタイプの保存に。
画像のものは秋月電子の Half+ 互換基板です。メリットがないからだと思われますが、どの製品も電源レーンが半ピッチずれていたりはしないようです。
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