Quality Central についての補足事項

QC投稿のお約束
 QC投稿の際にはドキュメント化されていない暗黙のお約束があります。QCの"Steps"に記述する内容は以下のようになります。

ここに問題を再現させるためのコードを書きます

EXP:
  ここに期待される動作を記述します

ACT:
  ここに実際の動作を記述します

 そして、長いほうの"Description"か"Steps"の最後に"この問題の影響範囲""具体的にマズい点""問題を解決する事で得られるメリット"等を追記しておくといいでしょう。   これらを簡潔に記述するのがキモのようです。さらにディスカッション・フォーラムの該当グループ(英語)へQCのコピーを投稿し、日本のディスカッション・フォーラムにVoteを呼び掛けるために告知するといいと思います。

  "QCのコピーのテンプレート"はこんな感じです。まずはタイトル(Subject)。

[バージョンQCでの短いDescription

 "バージョン"には"D2009"等を入れます(FT等、同一の製品を対象としている場合にはビルド番号を入れます)。次は本文です。

Report No: QC番号            Status: Reported
QCでの短いDescription
http://qc.codegear.com/wc/qcmain.aspx?d=QC番号
QCWIN:Defect_No=QC番号

 "QC番号"は3箇所ありますが、すべて同一のQC番号を入れます。最後の行はリンクをクリックした際にQCクライアントへ飛ばすための指定です(オマジナイのようなものだと思って下さい)。冒頭には"Hello"程度の挨拶と、簡単な説明文を付け加えておくとよいでしょう。"熱く語る"のもアリです(^-^)b 以下はQC#66693のサンプルです。

 このフォーマットは "QC Windows Client" の [Reports | Copy to Clipboard] で出力する事ができます。

[D2009] Help-topic of a part of error-code doesn't exist.

Hello,
I'm reported QC#66693.

Report No: 66693            Status: Reported
[Help] Help-topic of a part of error-code doesn't exist.
http://qc.codegear.com/wc/qcmain.aspx?d=66693
QCWIN:Defect_No=66693

 添付ファイルはZIP形式で固めてアップロードする必要があります。

 添付ファイルに実動コードを含める場合で、ソースコードに日本語を記述する必要がある場合には、ファイル形式をUTF-8にすべきです。 但し、基本的に日本語を書いてはいけません。何故なら、日本語を表示する事のできるフォントを相手が持っているとは限らないからです。英語版のWindowsには"MSゴシック/明朝/MS UIゴシック"がデフォルトでインストールされていませんし、 Vistaであってもメイリオがインストールされていない事があるからです。

 日本語固有の問題をソースコードで示す場合、Delphi2009等であれば幾らか話は簡単です。以下のコードをみて下さい。

type
  SJISString = type AnsiString(932); // Shift-JIS(CP932)
var
  SJIS: SJISString;
begin
  SJIS := #$82#$A0 + // Japanese Hiragana 'a'
          #$82#$A2 + // Japanese Hiragana 'i'
          #$82#$A4;  // Japanese Hiragana 'u'
  ...

end;     

 このようなコードはコードページを強制するので、どのような環境に於いてもコードを正しく実行できます。但し、ShowMessage等で結果を日本語表示させる場合には、先述の通り"相手が日本語フォントを表示できない可能性がある"ので、スクリーンショットも併せて添付しましょう。

 添付する画像はJpegが好まれるようです。BMP/GIF/PNG等は避けた方がいいでしょう。個人的にはBMP(24bit)->(リサイズ)->BMP(256bit)->GIFへ変換した画像がサイズも小さく鮮明なのでスクリーンショットとしては最適だと思うのですが、画像が汚くなってもJpegを添付した方がいいようです(^^;A

翻訳作業
 ここが最もハードルが高い所です。とりあえず、翻訳ツールを使ってみるといいでしょう。    一旦、"日本語->英語"翻訳を行ったら、翻訳結果を"英語->日本語"に逆翻訳してみましょう。それでおおまかに意味が通じるのなら大丈夫だと思います。意味が通じなかったら日本語の方を言い換えてみましょう("ならない"->"働かない"等)。コンピュータ用語の微妙な言い回しについては"慣れ"しかありませんので、英語ネイテイブスピーカーの書いた英語を読むのもいいと思います。ちなみに、メニューの辿り方を記述する場合、"[ツール]の[オプション]"のような記述は"[Tool | Options]"のようにします。

 Windows等の用語を記述したい時がありますよね?でも、「英語でこの機能は何て言うの?」と思う事があります。そんな時は"マイクロソフト ランゲージ ポータル - 用語検索"で、用語を日本語で検索してみるといいでしょう。英語の対訳を検索する事ができます。

 DelphiのIDE等の用語については、実際の現物を見るしかないので、VMに英語版とヘルプの英語版を入れておくといいかもしれません。日本語版と英語版のヘルプを同居させる方法もあります。

重複QC
 既にQCへ登録されているQCを投稿すると"Duplicate"になってしまいます。ですので、できるだけQC検索を行って自分の投稿しようとしている内容が既に登録されていないかを簡単に検索しておくといいと思います。"詳細に"ではなく"簡単に"な理由ですが、  "翻訳時間"というのは多くの日本人にとって"ハンディキャップ"です。問題に気付いたのが同じ時期であっても、「重複じゃないよねー?」と調べ回っているうちに誰かがQC投稿して重複になってしまう事があります。 重複を恐れて血眼になって検索し「これは重複じゃないな」と意気込んで投稿したら何故か重複していて「この言い回しは頭になかった!」という事になったりもします。要は"重複についてはそんなに神経質にならない方がいい"って事ですね(^^;A

Fixed以外でClosedになったら?/なかなかClosedにならなかったら?
 Fixed以外でClosedになった場合で、Resolutionに納得がいかない場合には
  1. 内容を編集して具体的なものにする。或いは必要性を説く。
  2. コメント欄で必要性を説く。あるいは"Resolution Comment"への反証を行う。追加資料を添付するのもいいでしょう。
  3. ディスカッション・フォーラムの該当グループ(英語)へ再オープン要求を投げる。
 OpenされたままなかなかClosedにならなかったら、
  1. 内容を編集して具体的なものにする。或いは必要性を説く。
  2. 日本のディスカッション・フォーラムでVoteを呼び掛ける。
  3. ディスカッション・フォーラムの該当グループ(英語)で議論を起こすためにマッチポンプする(^^;A。
 時にはクレーマーになってみるのもいいかも知れませんよ?
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