USB シリアル I/F を自作する

USB シリアル I/F を作ってみようという記事です。

CE-130T / CE-140T / CE-T800 は今では入手困難となっています。たとえ入手できたとしても、今時の PC には RS-232C ポートがないため、変換コネクタや変換ケーブルをいくつも噛ます必要があってスマートに接続できません。PC と接続するためだけの用途であれば安価に、そして比較的簡単に作る事ができます。



対応機種

この USB シリアル I/F モジュールの対応機種は次の通りです。

CPU 機種
SC61860 PC-1350, PC-1360, PC-1360K, PC-1425, PC-1450, PC-1460, PC-1470U, PC-1475, PC-2500, PC-2500S
SC62015 PC-1480U, PC-1490U, PC-1490U II, PC-E500, PC-E500PJ, PC-E550, PC-E650, PC-U6000
Z80 PC-E200, PC-G801, PC-G802, PC-G803, PC-G805, PC-G811, PC-G813, PC-G815, PC-G820, PC-G830, PC-G850, PC-G850S, PC-G850V, PC-G850VS

※実行専用機や海外で発売された機種を除きます。


部品表

USB シリアル I/F を自作するにあたって必要な部品は次の通りです。

部品 数量
FT232RL USBシリアル変換モジュールキット (秋月電子) 1
片面ユニバーサル基板 (ブレッドボード配線パターンタイプ) (秋月電子) 1
ピンヘッダ 1x40 (40P) (秋月電子) 1
ピンヘッダ (L型) 1x40 (40P) (秋月電子) 1
uxcell ピンヘッダ (L型) 1×40 (40P) 10 本入り (Amazon) 1
ピンソケット (メス) 1x12 (12p) (秋月電子) 2

※ほぼ秋月電子で揃います。


組み立て

組み立て方です。

  1. 部品を用意します。手持ちの関係でピンソケットを使いましたが、IC ソケット (24P) を使うと基板の背を低くできます。USB シリアル変換モジュールを他の用途で使わないのであれば、直接ハンダ付けしてもいいかと思います。
  2. ポケコンの SIO コネクタにL型ピンヘッダ (8P) を奇数ピンに挿し、その上からピンヘッダ (7P) を偶数ピンに挿します。
  3. ピンヘッダの基部同士を瞬間接着剤で固定します。ポケコンとピンヘッダを接着しないように注意してください。
  4. 接着されたら、一度抜きます。ピンを引き抜いたピンヘッダの基部 8 ピン分を隅に接着しておくと補強になっていいと思います。プラ棒等をお持ちであればそれでも。
  5. 基板を準備します。
  6. ブレッドボード配線になっているため、一部をパターンカットします。裏返すと左右逆になる事に注意してください。
  7. 次のように結線します。左側のピンソケットの部分は適宜迂回してください。左側の 15pin の偶数ピンは空中配線となります。
  8. 左側は 15pin SIO コネクタを持つ機種用、右側は PC-G800 系用の配線です。大した手間ではないので、両方配線しておくといいでしょう。
  9. 完成したモジュールです。左側の偶数ピンへのハンダ付けはジュンフロン線のような単線をグルグル巻き付けてから行なうと簡単です。
SIO (15P) FT232R モジュール ペリフェラル (11P)
2 SD 5 RXD 7 MTout1
3 RD 1 TXD 6 MTin
5 CS 3 RTS# 9 ACK
7 SG 7 GND 3 VGG(0V)
8 CD - -
11 RR 10 CTS# 4 Busy
14 ER - -

※ 15pin 側の CD (8) と ER (14) を短絡させる事。


論理反転

このままだと信号が正負逆なので、FTDI 社製のツールを使って論理を反転させます。

  1. FT_Prog を DL してインストールする。
  2. モジュールを PC と接続する。
  3. FT_Prog を起動する。
  4. メニューの [DEVICES | Scan and Parse (F5)] でデバイスをスキャン。
  5. [Device Tree] の [Hardware Specific | Invert RS232 Signals] で TXD / RXD / RTS# / CTS# にチェックを入れる。
  6. メニューの [DEVICES | Program] でダイアログを開き、[Program] ボタンを押す。
  7. モジュールを一度抜き差しする。

使い方

SIO 15pin コネクタを持つ機種は IF 基板の左側を接続。

PC-G800 系の機種は IF 基板の右側を接続。

詳細な使い方については各機種のマニュアルを参照してください。ハードウエアフロー制御に対応しているので、PC-E500 系であっても CE-140T を使う時に行うオマジナイは必要ありません。

See also:


RS-232C USB I/F を入手する

自作できる自信がないのであれば、高松製作所さんから USB シリアル I/F ケーブルを購入するといいでしょう。

とてもスマートでいいですね。



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