SHARP CE-125 の修理

SHARP CE-125 の修理に関する記事です。




共通項目

まずは事前チェックを行いましょう。基板が死んでいる場合の修理情報は当記事にはありません。

  1. CE-125(S) に AC アダプタや電池ボックスを接続して電源を供給する。
  2. ポケコンを接続し、ポケコンの電源を入れる。
  3. マイクロカセットの FF ボタンを押してみる。動作音がするならマイクロカセットユニット自体は生きている。左側の駆動軸が回転していないのならゴムベルトが切れている (溶けている)。
  4. プリンタの電源を入れ、用紙フィードボタンを押してみる。動作音がするならサーマルプリンタユニット自体は生きている。
  5. ポケコンで SHIFTENTERを押す。P のシンボル (PC-126x とかだと PRINT の所にインジケーターが表示される) が表示されるのなら基板は生きている。もう一度SHIFTENTERを押してシンボルが消える事を確認する。
  6. P のシンボルが表示されないようなら、速やかにポケコンを取り外す事。基板の故障が疑われる状態でカセットインターフェイスやプリンタ用の命令を実行するべきではない。

※ 外装に液漏れの跡があったり、11 ピンコネクタに緑青が出ているものは動作しない可能性が高いです。


CE-125 修理の際にあると便利なものは次の通りです。

用途 入手先
精密プラスドライバー #1 裏蓋用 100 円ショップ
精密プラスドライバー #00 (多分) マイクロカセットユニットのステーを外すのに 100 円ショップ
歯ブラシ マイクロカセットユニットのプーリーの清掃用 100 円ショップ、ドラッグストア
イソプロピルアルコール or 無水エタノール 清掃用 ドラッグストア、ホームセンター
綿棒 清掃用 100 円ショップ、ドラッグストア
木綿糸 清掃用 100 円ショップ
ポリイミドテープ (Amazon) ハンダ作業用 通販
ハンダ吸い取り線 (Amazon) ハンダ作業用 通販
熱収縮チューブ バッテリー交換用 通販
タミヤ F グリス (Amazon) サーマルプリンタのグリスアップに 通販、ホビーショップ

以下、CE-125 のケースを開ける手順です。

  1. 裏蓋のネジをすべて外す。中段左と真ん中だけネジの種類が違う。タッピングネジなので紛失注意。
  2. 謎コネクタカバーも外しておく(凹みがない方から外す)。謎コネクタカバーを外したら、無くさないように裏蓋のホルダーにはめておく。
  3. カバーの周囲にツメがあるので、注意しながら外す。上側から手前に起こすように開く。

組み立てはケースを開けた時と逆の手順で行います。組み立てる時に違和感を感じたり、ケースがフワフワしている気がしたら、次のいずれかだと思われます。

謎コネクタの穴から精密ドライバーや楊枝で内側から押さえてあげると AC アダプタジャックのパネルを簡単に嵌められます。


マイクロカセットユニット

マイクロカセットユニットが動作しない場合の多くはゴムベルトが切れているか溶けています。調子が悪い場合の多くはゴムベルトが伸びています。

交換用のゴムベルトを用意します。ベルトの種類は角ゴムベルトです。太さの単位は T (Thickness) で、ベルト断面の辺の長さ (幅) です。内径 50mm / 40mm / 35mm 程度のゴムベルトが 1 本ずつ必要です。

ゴムベルトが切れていても、白の木綿糸を使って実測すればゴムベルトのサイズを調べる事ができます。交差した所に油性ペンで印を付け、それを伸ばして円周を調べます。

円周 / π がゴムベルトの内径となるので、これよりも一回り小さいゴムベルトを選びます。

実測 せんごくネット通販 TECHSPACE
Amazon 楽天
53mm 2DNG-T6JF 0.95T φ50 0.7T φ51 0.7T φ51
43mm 2DNG-T6JA 0.95T φ40 0.7T φ41 0.7T φ41
37mm 6DNG-T6J6 0.95T φ35 0.7T φ35 0.7T φ35

以下、ゴムベルトの交換手順です。

  1. ケースを開ける。
  2. マイクロカセットユニットはネジ四本で固定されている。右下のネジにはラグ端子が噛ませてある。断線注意!
  3. 配線はそのまま、ゆっくりとマイクロカセットユニットを裏返す。
  4. 溶けたゴムベルトはピンセットで可能な限り取り除き、プーリーの溝に残ったゴムベルトはアルコールタイプのウエットティッシュまたは IPA や無水エタノールを含ませた木綿糸を使って取り除く。歯間ブラシやデンタルフロスを使ってもいいかもしれない。サビが併発しているととても厄介。
  5. プーリー B へアクセスするには 2 本の小さなネジを外さなければならないが、これらはネジロックで固定されている。ネジロックはデザインナイフやカッターナイフで取り除けるが、それでも番数の合わないドライバーで外そうとするとナメてしまう可能性がある。100均の精密ドライバーで外せそうになかったら、ホームセンターでちょっと高めの精密ドライバーを買ってきた方がいい。
  6. プーリーに新しいゴムベルトを掛ける。画像は 0.95T と 0.7T をできるだけ同じ角度から撮影したもの。0.7T だとゴムベルトがプーリーから (ほぼ) はみ出ないようだ。
    1. プーリー B (下段) <-> プーリー C / 小
    2. プーリー B (上段) <-> プーリー A / 中
    3. プーリー D <-> プーリー E / 大

  7. 元のように組み立てる。マイクロカセットユニット固定用の右下のネジにラグ端子を通すのを忘れないように。

組み立てが終わったら、AC アダプタを接続してテープ操作ボタンを押し、正常に動作する事を確認してください。

※ 0.95T のゴムベルトを使うと、矢印の部分は擦れながら回ると思います。0.7T では擦れないようです。


サーマルプリンタユニット

サーマルプリンタユニットの故障は直せませんが、スムーズに動作しないのをグリスアップによって改善する事はできるかもしれません。タミヤの F グリスは PAO でフッ素配合です。高温にならなければ樹脂を侵す事もないようです。接点グリスとしても使えます。

以下、サーマルプリンタユニットのグリスアップ手順です。

  1. ケースを開ける。
  2. オレンジ色の部分をグリスアップする。古くなって硬質化したグリスがあれば事前に取り除いておく。好みでユニット右側面のギアにも。
  3. 元のように組み立てる。

※ サーマルプリンタユニットは 第二精工舎 (現 SII) 製 MTP201-24B です。


AC アダプタ

CE-125 の純正 AC アダプタ EA-23E です (センターマイナス 8.5V 350mA)。AC アダプタに何かの液体が付着しているようなら、拭き取った上でテスターで電圧を測定してみましょう。

AC アダプタにはトランス式とスイッチング式があり、トランス式は無負荷時電圧と定格電圧が異なるため、EA-23E の電圧をテスターで測定すると正常時でも 12V 程度になります。もしこれを大幅に逸脱する電圧なのであれば、代替品に交換しましょう。

代替品はスイッチング式なため小型軽量です。体積比で 1/2 以下、重量比で 1/4 以下となっています。


電池ボックス

AC アダプタの代わりに電池ボックスを使う事もできます。DC プラグ付き電池ボックスは電子工作のスターターキットの中に含まれていたりします。ACアダプターの故障判定に利用できます。

※センターマイナスになるように結線を変える必要があります。


Ni-Cd バッテリー

純正バッテリー P-05-F4K3 (CE-125S は 4/500RS) は Ni-Cd 4.8V 500mAh です。既に使い物にならなくなっていると思うので交換します。

バッテリーは CE-125 の基板にそのままハンダ付けされていて取り回しが悪いので、コネクタを付けてバッテリーを外せるよう改修します。こうしておけば長期保存する際や、バッテリーを充電して使うのが面倒になった時に簡単に取り外せます。


本体側 (バッテリーコネクタへ換装)

以下、本体基板側の改修です。

  1. ケースを開ける。
  2. 液漏れや液漏れの跡があったら拭き取っておく。
  3. バッテリーを固定しているツメをペンチで開き、基板側のリード線を外す。他のリード線も一旦外して、パッドはハンダ吸い取り線等でキレイにしておく。ポリイミドテープを持っていないのなら、基板を外して作業しないとケースを溶かす可能性が高い。
  4. バッテリー用ケーブル (オス) をハンダ付け。バッテリー側がメス。プラスの所は左右から 3 本のケーブルが来ているので、ハンダ付けの難易度が高い (CE-125S の右からの線は手前のパッドにハンダ付けされているため比較的簡単)。

バッテリー側 (バッテリーコネクタへ換装)

以下、Ni-Cd バッテリー側の改修です。

  1. Ni-Cd バッテリーを用意する。
  2. バッテリーのリード線にバッテリー用ケーブル (メス) をハンダ付け。熱収縮チューブがあれば事前に通しておく。
  3. CE-125(S) にバッテリーを組み込む。バッテリー固定用のツメをかしめる。コネクタケーブルは干渉しない位置へ移動する。バッテリーの右側にあるコネクタの上辺りは空いている。
  4. ケースを閉め、動作確認を行う。

※バッテリーレス運用の際には AC アダプタ (や電池ボックス) を接続してスイッチを入れ、10 秒位待ってから操作するようにしましょう。


外装交換

CE-125 と CE-125S は相互に外装を交換する事が可能ですが、そのまま交換してしまうとマイクロカセットユニットのパーツの色が合いません。マイクロカセットユニットごと交換してもいいのですが、ハンダ付けが面倒なのでパーツ単位で交換します。

※人によってはハンダ付けの方が楽だと感じるかもしれません (w

ボタン

ボタンの左側面にある E リングを外して右側からシャフトを抜くとボタンを外す事ができます。交換の際にシャフトにグリスを塗っておくとボタン操作が軽くなります。

アクリル窓

EJECT を押してカセットホルダーを開けば CE-125(S) を分解しなくても作業は可能ですが、他の作業もあるので、素直に分解した方がいいでしょう。側面にある 4 本のネジを外すとアクリル窓を交換できるようになりますが、ネジがとても小さく短いので紛失しないように注意してください。

アクリル窓に傷が入っているのであればこれを機にコンパウンドで磨いておくといいでしょう。

テープカウンタ

テープカウンタはリセットボタンだけの交換ができないのでテープカウンタユニットごと交換します。テープカウンタユニットにはプーリーが付いていますので、事前に (一番長い) ゴムベルトを外しておく必要があります。テープカウンタユニット自体はネジ 2 本で外す事ができます。

こちらもテープカウンタに傷が入っているのであればコンパウンドで磨いておくといいでしょう。



消耗品

マイクロカセットテープ

CE-125 用のマイクロカセットテープは 60 分タイプ (MC-60) を使う事になっています。マイクロカセットテープの現行品はオーム電機の TS-3047 しか存在しないのですが、CE-125 で使うと早送りがうまくいかなかったりするのでオススメしません

できるだけ他社のデッドストックや中古を入手する事を推奨します。OLYMPUS の XB60 では早送りの問題は発生しませんでした。


感熱ロール紙

CE-125 は 58mm 幅の感熱紙に対応しているため、普通に売られている幅 58mm の感熱ロール紙を直径 18mm 以下に巻き取って使えば OK です。ロール紙カバーを開いたまま運用するのであれば、直径 30mm のものも使えます。





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