SHARP CE-125 の修理に関する記事です。
まずは事前チェックを行いましょう。基板が死んでいる場合の修理情報は当記事にはありません。
※ 外装に液漏れの跡があったり、11 ピンコネクタに緑青が出ているものは動作しない可能性が高いです。
CE-125 修理の際にあると便利なものは次の通りです。
用途 | 入手先 | |
精密プラスドライバー #1 | 裏蓋用 | 100 円ショップ |
精密プラスドライバー #00 (多分) | マイクロカセットユニットのステーを外すのに | 100 円ショップ |
歯ブラシ | マイクロカセットユニットのプーリーの清掃用 | 100 円ショップ、ドラッグストア |
イソプロピルアルコール or 無水エタノール | 清掃用 | ドラッグストア、ホームセンター |
綿棒 | 清掃用 | 100 円ショップ、ドラッグストア |
木綿糸 | 清掃用 | 100 円ショップ |
ポリイミドテープ (Amazon) | ハンダ作業用 | 通販 |
ハンダ吸い取り線 (Amazon) | ハンダ作業用 | 通販 |
熱収縮チューブ | バッテリー交換用 | 通販 |
タミヤ F グリス (Amazon) | サーマルプリンタのグリスアップに | 通販、ホビーショップ |
以下、CE-125 のケースを開ける手順です。
組み立てはケースを開けた時と逆の手順で行います。組み立てる時に違和感を感じたり、ケースがフワフワしている気がしたら、次のいずれかだと思われます。
謎コネクタの穴から精密ドライバーや楊枝で内側から押さえてあげると AC アダプタジャックのパネルを簡単に嵌められます。
マイクロカセットユニットが動作しない場合の多くはゴムベルトが切れているか溶けています。調子が悪い場合の多くはゴムベルトが伸びています。
交換用のゴムベルトを用意します。ベルトの種類は角ゴムベルトです。太さの単位は T (Thickness) で、ベルト断面の辺の長さ (幅) です。内径 50mm / 40mm / 35mm 程度のゴムベルトが 1 本ずつ必要です。
ゴムベルトが切れていても、白の木綿糸を使って実測すればゴムベルトのサイズを調べる事ができます。交差した所に油性ペンで印を付け、それを伸ばして円周を調べます。
円周 / π がゴムベルトの内径となるので、これよりも一回り小さいゴムベルトを選びます。
実測 | せんごくネット通販 | TECHSPACE | |
Amazon | 楽天 | ||
53mm | 2DNG-T6JF 0.95T φ50 | 0.7T φ51 | 0.7T φ51 |
43mm | 2DNG-T6JA 0.95T φ40 | 0.7T φ41 | 0.7T φ41 |
37mm | 6DNG-T6J6 0.95T φ35 | 0.7T φ35 | 0.7T φ35 |
以下、ゴムベルトの交換手順です。
組み立てが終わったら、AC アダプタを接続してテープ操作ボタンを押し、正常に動作する事を確認してください。
※ 0.95T のゴムベルトを使うと、矢印の部分は擦れながら回ると思います。0.7T では擦れないようです。
サーマルプリンタユニットの故障は直せませんが、スムーズに動作しないのをグリスアップによって改善する事はできるかもしれません。タミヤの F グリスは PAO でフッ素配合です。高温にならなければ樹脂を侵す事もないようです。接点グリスとしても使えます。
以下、サーマルプリンタユニットのグリスアップ手順です。
※ サーマルプリンタユニットは 第二精工舎 (現 SII) 製 MTP201-24B です。
CE-125 の純正 AC アダプタ EA-23E です (センターマイナス 8.5V 350mA)。定価は 1,200円(税抜)でした。AC アダプタに何かの液体が付着しているようなら、拭き取った上でテスターで電圧を測定してみましょう。
AC アダプタにはトランス式とスイッチング式があり、トランス式は無負荷時電圧と定格電圧が異なるため、EA-23E の電圧をテスターで測定すると正常時でも 12V 程度になります。もしこれを大幅に逸脱する電圧なのであれば、代替品に交換しましょう。
代替品はスイッチング式なため小型軽量です。体積比で 1/2 以下、重量比で 1/4 以下となっています。
AC アダプタの代わりに電池ボックスを使う事もできます。DC プラグ付き電池ボックスは電子工作のスターターキットの中に含まれていたりします。ACアダプターの故障判定に利用できます。
※センターマイナスになるように結線を変える必要があります。
純正バッテリー P-05-F4K3 (CE-125S は 4/500RS) は Ni-Cd 4.8V 500mAh です。既に使い物にならなくなっていると思うので交換します。
バッテリーは CE-125 の基板にそのままハンダ付けされていて取り回しが悪いので、コネクタを付けてバッテリーを外せるよう改修します。こうしておけば長期保存する際や、バッテリーを充電して使うのが面倒になった時に簡単に取り外せます。
以下、本体基板側の改修です。
以下、Ni-Cd バッテリー側の改修です。
※バッテリーレス運用の際には AC アダプタ (や電池ボックス) を接続してスイッチを入れ、10 秒位待ってから操作するようにしましょう。
CE-125 と CE-125S は相互に外装を交換する事が可能ですが、そのまま交換してしまうとマイクロカセットユニットのパーツの色が合いません。マイクロカセットユニットごと交換してもいいのですが、ハンダ付けが面倒なのでパーツ単位で交換します。
※人によってはハンダ付けの方が楽だと感じるかもしれません (w
ボタンの左側面にある E リングを外して右側からシャフトを抜くとボタンを外す事ができます。交換の際にシャフトにグリスを塗っておくとボタン操作が軽くなります。
EJECT を押してカセットホルダーを開けば CE-125(S) を分解しなくても作業は可能ですが、他の作業もあるので、素直に分解した方がいいでしょう。側面にある 4 本のネジを外すとアクリル窓を交換できるようになりますが、ネジがとても小さく短いので紛失しないように注意してください。
アクリル窓に傷が入っているのであればこれを機にコンパウンドで磨いておくといいでしょう。
テープカウンタはリセットボタンだけの交換ができないのでテープカウンタユニットごと交換します。テープカウンタユニットにはプーリーが付いていますので、事前に (一番長い) ゴムベルトを外しておく必要があります。テープカウンタユニット自体はネジ 2 本で外す事ができます。
こちらもテープカウンタに傷が入っているのであればコンパウンドで磨いておくといいでしょう。
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