Android 4.0 MOBILE STICK MS-01

スティック型 Android 端末 Android 4.0 MOBILE STICK MS-01 に関する記事です。



Android 4.0 MOBILE STICK MS-01 諸元

Android 4.0 MOBILE STICK MS-01アシベ電機が販売しており、同社の MVNO 部門であるプラチナモバイルの商品として 2012/11/11 に取り扱いが開始されたようです。

2014/05 末の事、この端末がこれまた同社のオンラインショップ SMART IT (楽天)投げ売り状態だったのを見かけました。楽天のポイントが幾らか失効しそうだったので、コレを購入してみたのです。だって…


税込、送料込で 1,980円ですよ?しかも無線 USB マウスまで付いてくるという。でも、Amazon だと高いです…この値段ならクアッドコアのスティック型 Android 端末が買えてしまいます。



スペック

Android 4.0 MOBILE STICK MS-01 のスペックは以下の通りです。

機能 説明
OS Android 4.0.4 (Ice Cream Sandwich)
SoC / CPU Telechips TCC8925
・ARM Cortex-A5 (ARMv7)
・1GHz
GPU Mali.-400MP Graphics Processing Unit
メモリー 512MB
ストレージ 4GB (システム使用含む)
HDMI 出力解像度 最大 1920×1080p
無線 LAN 802.11b/g/n (Wi-Fi 準拠)
インターフェイス ・HDMI 端子 (ver 1.4 対応)
・USB 端子 (USB 2.0 対応)
・Micro-USB 端子 (電源 / USB OTG)
・microSD Card (TF) スロット(最大32GB)
電源 USB AC アダプタ
・DC 5V / 1A
・AC 100V-240V (50/60Hz)
最大消費電力 約5W
本体寸法 84(W)x17(H)x28(D)mm (突起物含む)
本体重量 約35g (フタ含む)
付属品 ・ワイヤレスマウス (USB ドングル付属)
・HDMI 延長ケーブル
・Micro-USB <-> USBケーブル
・USB AC アダプタ
・取扱説明書
・保証書
備考 Google Play 対応

シングルコアですし、(今となっては)遊び方を知ってるヒト向けの製品であり、なんでもかんでもやりたいヒトには向いていないと思います。

この製品、ガワが異なるだけで中身は同一 (またはクローン) と思われるものが幾つかあります。

Tips が流用できるかもしれません。



接続方法

取り扱い説明書を読めば難しいトコロはないと思います。



ファームウェアアップデート

ファームウェアのアップデートをしないとアプリのインストールがうまくいかない事があったり、日本語文字入力で漢字変換する場合、一部の漢字において日本語の漢字でなく日本語以外の漢字になる事があるそうです (中華フォントの事かな?)。

ファームウェアアップデート手順書は製品にも同封されていますが、ウェブサイトもあります。

そんなに難しいものでもないですね。



やれる事とやれない事

あまり多くを望んではいけません。

これらの情報を知った上で "できる事とできない事" を判断してください…断っておきますけれど結構もっさりしますヨ。最新のスマホ並の性能を期待してはいけません。

マトモに使いたいならこのレベルのものをどうぞ。



内部構造

とりあえず分解してみましょう…いわゆる "殻割り" ですね。端末を裏返すと、赤丸の部分にネジがあります。これは精密ドライバーの #00 (+) で外せます。他はプラスチックのツメで保持されているだけなので簡単に開けられます (ツメを折らないように)。

表面です。ストレージ用の microSDHC カードが入っています。下にある穴の空いた板のようなものは Wi-Fi 用のアンテナだと思われます。

跳ね上げ式の microSD カードソケット が使われています...スロットではないので、カードは押しても引いても出てきません。このソケットは画像で言うと右方向に 1mm 程スライドさせるとパカっと開きます (事前に部品固定用のホットメルト接着剤を剥がす必要があります)。

ソケットを開いてみると、SanDisk の microSDHC カード (4GB / Class 4) が入っていました。これが同等品かな?…スペック表のストレージの項に "NAND FLASH" って書いてあったので、ストレージ用メモリは USB フラッシュメモリみたいな表面実装かと思っていたのですが。

裏面です。Hynix のチップが見えます。下中央辺りに見える白いのは青色チップ LED です。ん?Hynix チップの右上にあるこのシルク印刷は…?

側面です。中央左に microSD カードスロットがあり、右端には電源 / USB OTG 用の Micro-USB コネクタがあります。メインボードの上にサブボードが乗った二層構造になっています。Micro-USB コネクタの隣には ADH-40 や CX-01 に存在する Fn ボタン用のパターンと思わしきものが見えますね。

反対側の側面です。中央に銀色のプレートが見えますね?これはヒートシンクで、HDMI コネクタのシェルにつながっています…つまり、HDMI コネクタは冷却用にも使われています

構造からすると、ケース内部に溜まった熱はケース背面のスリットから放熱し、CPU 等の熱は HDMI コネクタからも放熱しているようですね。



パフォーマンス向上

MS-01 はストレートに言えば "遅い" です…ですが、遅いなら遅いなりのパフォーマンス向上方法があります。


ハードウェアアクセラレーションを有効にする

[設定 | 開発者向けオプション] で "GPU レンダリングを使用" にチェックを入れます。

MS-01 には GPU が載っているのですから、チェックを入れておきましょう。


不要なアプリを削除

Root 化して不要なアプリを削除し、常駐系のアプリをインストールしないようにするのが効果的です。自動更新もやめましょう。プリインストールされている

これらのアプリは完全に削除して構わないと思います。


クロックを固定

MS-01 はクロックが 800MHz です…遅いのは当然の事です。しかしながら、定番のクロックアップツールである 安兎兎CPUマスター (無料版) を使って、クロックアップする事はできません。…そういう事ですので、安兎兎CPUマスター (無料版) をインストールしてみましょう。どういう事かと言いますと、安兎兎CPUマスター (無料版) にはクロックアップを行う他に、クロックを固定する機能もあるのです。CPU が遅いのなら、可変クロックをやめて最高速で固定してしまえばパフォーマンスは向上します。

このように設定すれば、端末を再起動しても常にフルスピードで動作させる事ができるようになります。MS-01 はスマホではないので、バッテリーの持ちを気にする必要はないのですから、可変クロックなぞ不要なのです。各種ベンチマークで計測してみると解りますが、スコアが微妙に向上します。


簡易ヒートシンク

内部構造の所で書いたように、構造上 HDMI コネクタは熱を持ちます…なので、排熱を考えると、不要だと思っても HDMI 延長ケーブルで接続すべきだと考えます。さて、動画を連続で視聴したりクロック固定を行った場合、HDMI 延長コネクタの樹脂部分が「これ大丈夫か?」と思える程に熱かったりしませんか? HDMI コネクタがそこそこ熱を持つのは仕方がないのですが、反対側の USB コネクタまで相当熱いのであればちょっと問題です。何故なら USB コネクタに放熱板は接続されていないからです…こうなってくると熱対策を行わなくてはなりません。

…とはいえですね、MS-01 は基板二枚のサンドイッチ構造になっており、ヒートシンクを付ける方法がないのです…Hynix チップ側には付けられますけれど。イロイロ考えてみると、MS-01 ではHDMI コネクタを冷やすのが一番現実的な手段という事になるでしょう (他のスティック型 Android 端末ならともかく)。 HDMI コネクタの隙間をヒートクリップで挟んでもいいかもしれませんが、接触面積が少なそうですし固定も難しそうです…という事でここはローテクでやってみる事にします。

  1. アルミフォイルをシワが入らないように慎重に切り出す。
  2. アルミフォイルをシワが入らないように折っていく。この時、内部に空気が入らないようにミッチリ折る。
  3. 3~4mm 幅になるまで折っていく。
  4. 折り終わったら、軽くハンマーで叩いて "のす"。
  5. HDMI コネクタの根本にアルミフォイルの帯を巻き付ける。巻き始めは慎重に。できるだけコネクタと密着するように巻きつける。
  6. 強めに引っ張りながら、隙間なく巻きつける。
  7. 巻き終わりはセロハンテープで止める (アルミテープを持っていればそれで)。余分な箇所はカットする。セロハンテープを巻きすぎると放熱性能が悪くなるので注意。

うまく作れると、HDMI 延長ケーブルの樹脂部分はそこまで熱を持たなくなります。最初からアルミテープを巻く事も考えましたが、粘着剤が溶けて悲惨な事になりそうな気がしたのでやめました。

最終的には裏面をガバっと切り取って、プラスチックのメッシュで覆う事にしました (メッシュは植木鉢の底に敷いたりするアレです)。それでも HDMI コネクタは熱を持つので、裸で運用しても HDMI コネクタが熱くなるのは避けられないでしょう。それよりも、簡易ヒートシンクの径 (表面積) を大きくした方が冷却効果は高いようです。

ちなみに、この簡易ヒートシンクは巻きつけてあるだけなので、スポッと取る事ができます。画像のものはアルミフォイルで作った簡易ヒートシンクにアルミテープで放熱フィンを加えてあります。

ジャンク箱にあったアルミ製 HDD マウンタでヒートシンクを作りました (同じものを2つ作って重ねて装着してあります)。アルミ板でヒートシンクを作る場合、アルミフォイルと違って変形しないので厚みは 3mm 程度が適正かもしれません。今回作ったのは 25×20×2.4mm と 25×30×2.4mm ですが、明らかに後者のほうが冷えます…一枚板 (3mm) かつ、縦横 25×30mm 以上のサイズで作るのがベストでしょうか。

内部 (裏面) は絶縁耐熱テープで保護した上で、アルミ片を両面テープで Hynix チップに取り付けてあります (アルミ缶とか鍋焼きうどんのアルミ鍋とかでも作れます)。アルミテープでヒートシンクを作ってもそこそこ効果はあるようですが、Hynix チップの熱を HDMI コネクタに逃すのはやめておきましょう…HDMI コネクタがシャレにならないくらい熱くなります



Android 4.0 (Ice Cream Sandwich)

Android 4.0 MOBILE STICK MS-01 の OS は名前の通りですが Android 4.0 (Ice Cream Sandwich) です。内部ストレージは sdcard、microSD カードは ext_sd としてマウントされます。



キーバインド

物理キーボードを接続した場合、キーバインドはデフォルトで以下のようになっています。

ショートカット
〔Alt〕+〔Tab〕 タスク切り替えを行います。
〔ESC〕 Android の〔戻る〕キーです。
〔Menu〕または
〔Ctrl〕+〔ESC〕
Android の〔メニュー〕キーです。
〔Alt〕+〔ESC〕または
〔Shift〕+〔ESC〕または
〔Windows〕+〔ESC〕
Android の〔ホーム〕キーです。
音量を下げます。
音量を上げます。
ボタンを押すと "電源を切る" と出てきますが、実際にはスリープモードに入ります。
[OK] ボタンを押す時にマウスがズレるとスリープモードに入りません。
スリープ中にマウスのボタンを押すとスリープから復帰します。

以下はホーム画面で有効なショートカットです

ショートカット
〔Ctrl〕+〔M〕 [設定 | アプリ] 画面を開きます。
〔Ctrl〕+〔P〕 [設定] 画面を開きます。
〔Ctrl〕+〔W〕 壁紙選択画面を表示します。
〔Windows〕+〔Space〕 検索画面を表示します。
〔Windows〕+〔A〕 電卓を起動します。
〔Windows〕+〔B〕 Web ブラウザを起動します。
〔Windows〕+〔C〕 ユーザ (コンタクトリスト) を表示します。
〔Windows〕+〔E〕 メーラーを起動します。
〔Windows〕+〔L〕 カレンダーを起動します。
〔Windows〕+〔M〕 Google マップを起動します。
〔Windows〕+〔P〕 ミュージックプレーヤを起動します。


英語キー配列

初期セットアップ時には US 配列で使うしかありません。以下に日本語キーボードとの対応表を示します。

キー 日本語 - JIS 配列 英語 - US 配列
〔半角/全角〕 (漢字変換用) ~
〔Shift〕+〔半角/全角〕 (漢字変換用) `
〔Shift〕+〔2〕 " @
〔Shift〕+〔6〕 & ^
〔Shift〕+〔7〕 ' &
〔Shift〕+〔8〕 ( *
〔Shift〕+〔9〕 ) (
〔Shift〕+〔0〕 (N/A) )
〔Shift〕+〔-〕 = _
〔^〕 ^ =
〔Shift〕+〔^〕 ~ +
〔¥〕 ¥(バックスラッシュ) (N/A)
〔Shift〕+〔¥〕 | (N/A)
〔@〕 @ [
〔Shift〕+〔@〕 ` {
〔[〕 [ ]
〔Shift〕+〔[〕 { }
〔Shift〕+〔;〕 + :
〔:〕 : "
〔Shift〕+〔:〕 * '
〔]〕 ] |
〔Shift〕+〔]〕 } ¥(バックスラッシュ)
〔\(ろ)〕 ¥(バックスラッシュ) (N/A)
〔Shift〕+〔\(ろ)〕 _ (N/A)

US 配列では〔¥〕キー及び〔\(ろ)〕キーはデッドキーとなります。



vi の使い方の簡単な説明

念のために vi の簡単な操作方法を書いておきます。ワケワカメになったら 〔ESC〕:q!〔Enter〕 で vi を抜けてください。

操作 説明
入力モードで〔ESC〕 コマンドモードに入ります。
コマンドモードで〔I〕 入力モードに入ります。
コマンドモードで x 1 文字削除します。
コマンドモードで dd 1 行削除します (バッファへ格納される)。
コマンドモードで yy バッファへ 1 行コピーします。
コマンドモードで p バッファから貼り付けます。
コマンドモードで :w〔Enter〕 ファイルを保存します。
コマンドモードで :wq〔Enter〕 ファイルを保存し、vi を終了します。
コマンドモードで :q〔Enter〕 vi を終了します。
コマンドモードで :q!〔Enter〕 vi を強制的に終了します。

英語キーボードでの ":"(コロン) は、日本語キーボードの 〔Shift〕+〔;〕(セミコロン) です。まぁ、ES ファイルエクスプローラー を使えば vi を使わなくて済むんですけどね。

※ vi を使うためには Root 化BusyBox のインストールが必要になります。



USB マスストレージ (PTP)

端末の内部ストレージは PC からドライブ (PTP デバイス) として認識させる事ができます。

  1. MS-01 を PC に USB ケーブルで接続
  2. 右下の USB マークのアイコンをクリック
  3. [USB 接続をクリック]
  4. [USB ストレージを ON にする] をクリック

これで内部ストレージが PC 側からドライブとして見えるようになります。ファイル操作が終わったら、端末側で [USB ストレージを OFF にする] を行ってください。



ハードウェア

イロイロやろうと思うなら USB ハブ (セルフパワー対応)、PC 的な使い方をするのであれば USB ワイヤレスキーボード&マウスのセットを購入した方がいいと思います。



有線 USB マウス

手持ちの USB マウスを試してみましたが、普通に使えます。



有線 USB キーボード

手持ちの USB キーボードを試してみましたが、普通に使えます。日本語キーボードの場合、そのままだと刻印と実際のキーが一致しない事があります。

日本語キーボードを使う場合には、"日本語キーボードを使いたい" を参考にしてキーマップファイルを配置してください。



USB ハブ

手持ちの USB ハブを試してみましたが、普通に使えます。イロイロな機器を接続するのであれば、セルフパワーのハブがいいと思います。

セルフパワーのハブを接続している場合には、電源供給用の Micro-USB ケーブルを挿さなくとも動作します



USB フラッシュメモリ

手持ちの USB フラッシュメモリを試してみましたが、普通に使えます。一般的な USB タイプの SD カードリーダ/ライタも大抵使えると思います。例えば、ダイソーの microSD カードリーダー/ライター (E001: パソコン Personal Computer: 121 / JAN: 4549131115628) はちゃんと動作します。

USB フラッシュメモリの取り外しの際は [設定 | 端末 | ストレージ] にある "SD カードのマウント解除" を行ってください。



USB HDD

手持ちの USB 2.5inch HDD (SATA) を USB ハブ経由で試してみましたが、普通に使えます。



USB Bluetooth アダプタ

USB Bluetooth アダプタは利用できないようです。




ソフトウェア

入れておくと便利なアプリが幾つかあります。好みもあるでしょうから、ちょっとだけご紹介。



Google 日本語入力

Android app on Google Play

キーマップの問題回避だけではなく、日本語入力をできるようにする必要もあるのでインストール必須という事になるでしょう。デフォルトの状態で入っている "Google 日本語入力 β" はアンインストールして正式版に入れ直した方がいいと思います。



ES ファイルエクスプローラー

Android app on Google Play

Windows の Explorer のようなファイラーです。MS-01 には最初からインストールされていますが、アンインストールしてから最新版をインストールした方がいいと思います。SMB / FTP 接続もできるため、例えば LAN 上にあるサーバのファイルを持ってきたりする事も可能です。

また、テキストエディタも内蔵しており、端末エミュレータvi を使わなくともファイルの編集が可能になります。左側のメニューに [Root エクスプローラ] というのがありますので、これをオンにしておけば root 権限でファイルを書き換えたりする事ができます。

「折角の Android なのに vi なんぞ使えるか!」 と仰る方は是非。(外部に何やら送信しているようですが、それが気になる方は更新しない方がいいでしょう)



Youtube

MS-01 には最初からインストールされています。アップデートして新しいバージョンにしてしまうと動画が再生されない事があります。現状問題がないのであればアップデートはしない方がいいでしょう。誤ってアップデートしてしまった場合には [設定 | アプリ | Youtube] で "アップデートのアンインストール" を選択すれば初期状態の Youtube アプリに戻す事ができます。

アンインストールして新しいバージョンをインストールしてしまい、"アップデートのアンインストール" ができない場合には、アップデータを PC で解凍すると古いバージョンの YouTube_4.0.23.apk が得られます (\system\preinstall) ので、これをインストールしてください。なお、Youtube アプリから動画が再生できない場合でも、標準ブラウザからは Youtube 動画を再生できます。



MX 動画プレーヤー

Android app on Google Play

メディアプレーヤです。標準でインストールされている VitalPlayer Pro をアンインストールしてこれをインストールしてみました。

別途コーデックのインストールが必要となりますが、MX 動画プレーヤー コーデック (ARMv7 NEON) を入れておけばいいと思います (多分)。

Android app on Google Play

環境設定でハードウェア支援機能をオンにしておくといいでしょう。ES ファイルエクスプローラー経由で NAS にある動画を直接再生したりもできますが、Wi-Fi 経由となるので再生が安定しないかもしれません。そもそもですが、ES ファイルエクスプローラー経由で開くより MX 動画プレーヤー で直接開いたほうが安定すると思います。



Android SDK [開発者用]

 [ダウンロード: http://developer.android.com/sdk/index.html]

Android 用のアプリではないですが、開発者向けの SDK です。

実機のスクリーンショット撮影用環境を整えるだけなら、"SDK Tools Only" を選択してください ("DOWNLOAD FOR OTHER PLATFORMS" をクリックするとリストが出てきます)。



ADB ドライバ

 [ダウンロード: http://developer.android.com/sdk/win-usb.html]

凝った事をするには何はともあれ ADB 接続を行う必要があります。まずは MS-01 の [開発者オプション] にて "USB デバッグを有効にする" をオンにしておく必要があります。

ADB 接続を行うにはこのような結線になります。また、ADB (USB) 接続するには ADB ドライバを PC 側にインストールしなくてはなりません。


[ADB ドライバの導入手順]

…でも、このドライバはそのままではインストールできないのです。そこで中華 PAD でよくやる手法でドライバをインストールします。覚えておいて損はないと思うので、詳細な方法を載せておきます。

  1. Android-SDK をインストールしていれば、<Android-SDK インストールパス>\extras\google\usb_driver にドライバがあります。なければ上記リンクから ADB ドライバをダウンロードして解凍しておきます。
  2. MS-01 の [設定 | 開発者オプション] で USB デバッグを有効にする。
  3. MS-01 を PC に接続するとドライバのインストールに失敗し、デバイスマネージャで確認すると以下のように表示されているハズです。
  4. "ANDROID_HDMI_DONGLE" を右クリックし、コンテキストメニューから [プロパティ] を選択します。
  5. [詳細] タブを開き、コンボボックスで "ハードウェア ID" を選択します。
  6. 値にある VID (ベンダーID) と PID (プロダクト ID) を控えておきます。ANDROID_HDMI_DONGLE の VID は 0x18D1 で、PID は 0xDEED です (PTP 時。MTP 時は VID=0x140E / PID=0xA011)。
  7. ADB ドライバフォルダへ行き、android_winusb.inf をメモ帳等のテキストエディタで開きます。
  8. 赤字の部分を追加します。先程控えておいた VID / PID を記述します。
    [Google.NTx86]
    
    ;Google Nexus One
    %SingleAdbInterface%        = USB_Install, USB\VID_18D1&PID_0D02
    %CompositeAdbInterface%     = USB_Install, USB\VID_18D1&PID_0D02&MI_01
    %SingleAdbInterface%        = USB_Install, USB\VID_18D1&PID_4E11
    %CompositeAdbInterface%     = USB_Install, USB\VID_18D1&PID_4E12&MI_01
    
    ;Google Nexus S
    %SingleAdbInterface%        = USB_Install, USB\VID_18D1&PID_4E21
    %CompositeAdbInterface%     = USB_Install, USB\VID_18D1&PID_4E22&MI_01
    %SingleAdbInterface%        = USB_Install, USB\VID_18D1&PID_4E23
    %CompositeAdbInterface%     = USB_Install, USB\VID_18D1&PID_4E24&MI_01
    
    ;Google Nexus 7
    %SingleBootLoaderInterface% = USB_Install, USB\VID_18D1&PID_4E40
    %CompositeAdbInterface%     = USB_Install, USB\VID_18D1&PID_4E42&MI_01
    %CompositeAdbInterface%     = USB_Install, USB\VID_18D1&PID_4E44&MI_01
    
    ;Google Nexus Q
    %SingleBootLoaderInterface% = USB_Install, USB\VID_18D1&PID_2C10
    %SingleAdbInterface%        = USB_Install, USB\VID_18D1&PID_2C11
    
    ;Google Nexus (generic)
    %SingleBootLoaderInterface% = USB_Install, USB\VID_18D1&PID_4EE0
    %CompositeAdbInterface%     = USB_Install, USB\VID_18D1&PID_4EE2&MI_01
    %CompositeAdbInterface%     = USB_Install, USB\VID_18D1&PID_4EE4&MI_02
    %CompositeAdbInterface%     = USB_Install, USB\VID_18D1&PID_4EE6&MI_01
    
    ;Google Glass
    %SingleAdbInterface%        = USB_Install, USB\VID_18D1&PID_9001
    %CompositeAdbInterface%     = USB_Install, USB\VID_18D1&PID_9001&MI_01
    
    ;ANDROID_HDMI_DONGLE
    %SingleAdbInterface%        = USB_Install, USB\VID_18D1&PID_DEED
    %CompositeAdbInterface%     = USB_Install, USB\VID_18D1&PID_DEED&MI_01
    %SingleAdbInterface%        = USB_Install, USB\VID_140E&PID_A011
    %CompositeAdbInterface%     = USB_Install, USB\VID_140E&PID_A011&MI_01
    
    [Google.NTamd64]
    
    ;Google Nexus One
    %SingleAdbInterface%        = USB_Install, USB\VID_18D1&PID_0D02
    %CompositeAdbInterface%     = USB_Install, USB\VID_18D1&PID_0D02&MI_01
    %SingleAdbInterface%        = USB_Install, USB\VID_18D1&PID_4E11
    %CompositeAdbInterface%     = USB_Install, USB\VID_18D1&PID_4E12&MI_01
    
    ;Google Nexus S
    %SingleAdbInterface%        = USB_Install, USB\VID_18D1&PID_4E21
    %CompositeAdbInterface%     = USB_Install, USB\VID_18D1&PID_4E22&MI_01
    %SingleAdbInterface%        = USB_Install, USB\VID_18D1&PID_4E23
    %CompositeAdbInterface%     = USB_Install, USB\VID_18D1&PID_4E24&MI_01
    
    ;Google Nexus 7
    %SingleBootLoaderInterface% = USB_Install, USB\VID_18D1&PID_4E40
    %CompositeAdbInterface%     = USB_Install, USB\VID_18D1&PID_4E42&MI_01
    %CompositeAdbInterface%     = USB_Install, USB\VID_18D1&PID_4E44&MI_01
    
    ;Google Nexus Q
    %SingleBootLoaderInterface% = USB_Install, USB\VID_18D1&PID_2C10
    %SingleAdbInterface%        = USB_Install, USB\VID_18D1&PID_2C11
    
    ;Google Nexus (generic)
    %SingleBootLoaderInterface% = USB_Install, USB\VID_18D1&PID_4EE0
    %CompositeAdbInterface%     = USB_Install, USB\VID_18D1&PID_4EE2&MI_01
    %CompositeAdbInterface%     = USB_Install, USB\VID_18D1&PID_4EE4&MI_02
    %CompositeAdbInterface%     = USB_Install, USB\VID_18D1&PID_4EE6&MI_01
    
    ;Google Glass
    %SingleAdbInterface%        = USB_Install, USB\VID_18D1&PID_9001
    %CompositeAdbInterface%     = USB_Install, USB\VID_18D1&PID_9001&MI_01
    
    ;ANDROID_HDMI_DONGLE
    %SingleAdbInterface%        = USB_Install, USB\VID_18D1&PID_DEED
    %CompositeAdbInterface%     = USB_Install, USB\VID_18D1&PID_DEED&MI_01
    %SingleAdbInterface%        = USB_Install, USB\VID_140E&PID_A011
    %CompositeAdbInterface%     = USB_Install, USB\VID_140E&PID_A011&MI_01
  9. 保存し、テキストエディタを終了します。
  10. デバイスマネージャで "ANDROID_HDMI_DONGLE" を右クリックし、コンテキストメニューから [ドライバー ソフトウェアの更新] を選択します。
  11. [コンピュータを参照してドライバーソフトウェアを更新します] のボタンを押します。
  12. ADB ドライバのフォルダを選択し、[次へ] ボタンを押します。
  13. 「未署名のドライバが云々…」 と怒られるかもしれませんが、構わずインストールしてください。Windows 8 / 8.1 だと基本的に未署名のドライバはインストールできないのですが回避方法はあります。
  14. デバイスマネージャに "Android Composite ADB Interface" が表示されれば ADB ドライバの導入は完了です。
  15. コマンドプロンプトで "adb devices" と叩いてみましょう。端末がリストアップされれば ADB 接続ができています。

See Also:



UnlockRoot (Root 化)

 [ダウンロード: http://www.mediafire.com/download/6dblmt98qj8wxeh/unlockroot23.exe]

Root 化するためには UnlockRoot を使います。以下に手順を載せておきます。

  1. ADB ドライバの導入を済ませておく。
  2. MS-01 と PC を USB ケーブルで接続する。
  3. UnlockRoot の旧バージョンを上記リンクからダウンロードする。
    unlockroot.com には最新版があるがそれは使わない…ウザいソフトを仕込まれてしまう。だからと言ってむやみに他のサイトから旧バージョンを落とすとマルウェアが仕込まれている事がある。
  4. UnlockRoot を PC にインストールし起動する。
  5. 左側にある [Root 権限を取得する] ボタンを押す。
  6. "teletips ANDROID_HDMI_DONGLE" が一覧に出ていれば OK。このボタンを押す。
  7. 途中で省電力ツールのインストールを勧められるが、これはキャンセルして構わない。

[Unroot 化] ボタンで Root 化を解除する事もできます。


BusyBox

Android app on Google Play 要 Root 化

adb shell での操作に必須と言っていい vi 等のコマンドを補完してくれるアプリ。Busybox の詳細については Wikipedia が詳しいのでそちらを参照してください。

adb shell でイロイロいじりたい方向けです。



Quick Boot (Reboot)

Android app on Google Play 要 Root 化

MS-01 の電源ボタンはスリープです。しかし、イロイロいじっていると端末を再起動したい場合も出てくるでしょう。adb reboot を行えば、PC から再起動を行う事は可能なのですが、端末のみで再起動を行うには再起動アプリを導入する必要があります。

アプリを起動して処理を選んでもいいのですが…

Reboot のウィジェットをホーム画面に出しておくと便利です。



Android Terminal Emulator (端末エミュレータ)

Android app on Google Play

PC で ADB 接続してシェルを実行するのもいいですが、どうしても端末側だけで作業しなくてはならない場合があります。これを行うには Android Terminal Emulator (端末エミュレータ) をインストールします。イロイロやりたいのであれば BusyBox もインストールしておきましょう。



安兎兎CPUマスター (無料版)

Android app on Google Play

CPU をクロックアップするツールです。MS-01モードを interactive にすると暴走して再起動しますので注意が必要です。



Rooted SSH/SFTP Daemon

Android app on Google Play 要 Root 化

adb shell ではパスの TAB 補完が利かず、vi が使い物になりません。ADB enhanced Putty を使う方法もありますが、PC で腰を据えて環境構築を行いたいのであればインストールしておくべきでしょう。初期状態だと root / abc123 でログインできます。また、SFTP も使えるので、ファイル転送も楽になります。SFTP クライアントとしては FileZilla 等が使えます。



Adobe Flash Player

 [ダウンロード: http://helpx.adobe.com/jp/flash-player/kb/228683.html#main_Android_Flash_Player______]

とりあえず入れておいても損はないでしょう。ただ "かろうじて動作する" というレベルなので「これでゲームやれるぜ!」とか過度な期待はしちゃダメです。



Tips

知っておくと便利な小技やカスタマイズ方法など。Linux を触った事のない方にはちょっと難易度が高いものもあるかもしれません。



画面が映らなくなった

いきなり画面が映らなくなったり、起動時にプラチナモバイルのロゴしか表示されない場合、HDMI 延長ケーブルがきちんと接続されていない可能性があります。

端末を裏返して確認してみると解りやすいのですが、HDMI 延長ケーブルはここまで差し込めます。HDMI 端子部分に黒い四角の穴が 2 つ見える (隙間が 4mm 以上ある) ようであれば差し込みが足りません。



無線 LAN (TCP/IP) 経由で ADB 接続したい

無線 LAN (TCP/IP) 経由で ADB 接続する方法は USB 接続の状況によって異なります。この作業を行うには Root 化しておく必要があります。


PC と USB 接続されている場合

PC 側ですべてコントロールできます (コマンドプロンプトでの操作となります)。例は端末の IP アドレスが 192.168.1.10 の場合の例です。


PC と USB 接続されていない場合

端末側での操作が必要なので、端末エミュレータの導入が必須となります。例は端末の IP アドレスが 192.168.1.10 の場合の例です。

PC と USB 接続されていない場合でも端末側は USB 接続 (ポート: -1) で待ち受け (listen) ていますので、この場合には端末側で待ち受けポートを指定して TCP/IP 接続にする必要があります。



スクリーンショットを撮りたい

物理キーボードを接続している場合、Windows の感覚だと〔Print Screeen〕キーを押したくなりますが、それではスクリーンショットは撮れません。Android 4.0 以降のスマホだと〔ボリュームダウン〕+〔電源〕ボタンの同時長押しでスクリーンショットが撮れたりするようですが、これと同じ機能を持つキーを押しても何も起こりません。

Android 用アプリにはスクリーンショットを撮るものが幾つかありますが、殆どがセルフタイマー方式だったり、縦画面専用だったり (勝手に回転するものもある) と、あまり使い勝手がいいようには思えません。 アプリを探すのもいいですが、このページの記事のように "どうせ Windows で加工しなくてはならない" のであれば DDMS (Dalvik Debug Monitor Server) を使って別 PC でスクリーンショットを撮ったほうが楽かもしれません。

Android SDKADB ドライバ がインストールされていれば他に必要なものはありません。

  1. PC と MS-01 を USB 接続しておく (TCP/IP 経由接続も可能です。その際には事前に adb conect しておいてください)。
  2. コマンドプロンプト (CMD.EXE) を起動する。
  3. "ddms" と入力する。

    C:\Users\Owner>ddms
    The standalone version of DDMS is deprecated.
    Please use Android Device Monitor (monitor.bat) instead.
  4. DDMS が起動する。

  5. 左上のリストで接続したいデバイスを選択する
  6. メニューから [Device | Screen capture...] を選択する。

  7. MS-01 のスクリーンがキャプチャされる。スクリーンが表示されない場合には [Refresh] ボタンを押す。クリップボードに貼り付けたいのなら [Copy] ボタンを押す。

スクリーンキャプチャを終了するには DDMS を終了するだけです。

その他のスクリーンショットを撮る手段としては、コマンドラインから "adb shell screencap" し、端末に保存されたスクリーンショットファイルを "adb pull" で持ってくるという方法もありますが、事前にスクリーンショットを確認できる事もあって、DDMS を使う方が何かと便利だと思います。

ADB 接続ができているのなら Android Control を使うこともできます。

ADB の指定は adb.exe のあるパスではなく、adb.exe のフルパスファイル名となりますのでご注意下さい。

See Also:



Telnet / SSH 接続したい

目的が "PC からいじりたい" というだけであれば、簡易的には Android SDK Tools でシェルを起動できます ("SDK Tools Only" で OK)。

  1. PC と MS-01 を USB 接続しておく。
  2. コマンドプロンプト (CMD.EXE) を起動する。
  3. "adb shell" と入力する。

    C:\Users\Owner>adb shell
    shell@android:/ $
    

...ですが、adb shell だとエスケープシーケンスを処理しないため vi がマトモに使えなかったり、TAB によるパス補完ができなかったりします。

ADB enhanced Putty を使えばこの問題を回避できます。

左ペインの [接続 | Adb] で、"Auto kill-server" のチェックを外してください。他の設定/操作は通常の PuTTY と変わりません。TCP/IP 経由接続の詳細は Android-x86 のトピックを参照してください。

Android SDK Tools をインストールしていない場合や、本格的にリモートで触りたい (Telnet / SSH 接続したい) 場合には Rooted SSH/SFTP Daemon (要 Root 化) をインストールしましょう。



MTP で接続したい

MS-01 を PC と USB 接続すると USB マスストレージ として認識します…これはこれでいいのですが、内部ストレージが排他利用となってしまい、使い勝手があまりよくありません。ストレージを MTP (Media Transfer Protocol) デバイスとして認識させれば排他利用の制限はありません…が、MTP にすると今度は USB デバッグが不可能となります。

MS-01 には PTP / MTP を切り替える GUI が存在しないため、事前に Android Terminal Emulator (端末エミュレータ) をインストールしておく必要があります。


[MTP 接続へ変更]

  1. [設定 | 開発者オプション] で "USB デバッグを行う" のチェックを外す
  2. MS-01端末エミュレータを起動する。
  3. 以下のようにコマンドを入力する。
    $ su
    # setprop persist.sys.usb.config mtp,adb
    # reboot

[PTP 接続へ変更]

  1. MS-01端末エミュレータを起動する。
  2. 以下のようにコマンドを入力する。
    $ su
    # setprop persist.sys.usb.config mass_storage,adb
    # reboot
  3. (必要なら) 再起動後に [設定 | 開発者オプション] で "USB デバッグを行う" のチェックを入れる。

MTP 接続に成功すると、マイコンピュータの "ポータブルデバイス" に ANDROID_HDMI_DONGLE が現われます。

PTP 接続と MTP 接続では、デバイス ID / プロダクト ID が異なる事に注意が必要です。

場合によっては MTP 接続から PTP 接続へ戻せなくなるので、設定を正しく反映させるために Micro-USB ケーブルの抜き差しが必要な事があります。MTP を試す場合にはセルフパワーの USB ハブを用意しておいた方がよいでしょう。

スクリプトに書いておけば起動時から PTP 接続にする事ができます。つまり、Micro-USB ケーブルを繋ぐだけで USB フラッシュメモリみたいな運用が可能になります。ただ、起動 (認識) に時間が掛かるのと、バッテリーもなければスリープさせる手段もないので、終了は電源ブチ切りとなってしまいます。メリットらしいメリットがないので、個人的には MTP 接続はしないですかね…。



日本語キーボードを使いたい

Android 4.0 (ICS) は日本語キーボードを繋いでも、一部のキーが刻印通りには入力できません。Android 4.1 以降だとアプリを導入すればいいのですが 4.0 ではそれができません。Android 4.0 (ICS) でキーボードを使いたいのであれば英語キーボードを使うか、キーマップファイルを導入する必要があります。また、この Tips を行うには端末の Root 化が必要です。

詳細は以下で調べてもらうとして…

キーマップファイルを導入する方法をかいつまんで話せば、

...という事になります。


キーマップファイルの準備

  1. 日本語キーボードキーマップファイルをダウンロードする。
  2. 任意の場所に解凍しておく。例では C:\Keymap に解凍している。
  3. USB キーボードを PC に繋ぎ、ベンダー ID (VID) とプロダクト ID (PID) を調べる (調べ方は ADB ドライバ の項を参照の事。USBView を使う方法もある)。
  4. 解凍したキーマップファイルを VID / PID を元にリネームする。例えば、VID が AABB で PID が CCDD の場合、ファイル名は
    となる。
  5. この 2 つのファイルを実機に転送する。

問題は転送方法です。実機の /system 以下は読み取り専用 (RO) でマウントされているため、そのままでは書き込めません。下記のいずれかの方法でキーマップファイルを転送してください。


方法1: ADB を使って PC から転送

Android SDK を PC にインストールしていれば、adb のみでキーマップファイルのコピーを行えます。

Microsoft Windows [Version 6.1.7601]
Copyright (c) 2009 Microsoft Corporation.  All rights reserved.

C:\Users\Owner>cd C:\Keymap

C:\Keymap>adb root
restarting adbd as root

C:\Keymap>adb remount
remount succeeded

C:\Keymap>adb push Vendor*.kl /system/usr/keylayout/
1513 KB/s (9082 bytes in 0.005s)

C:\Keymap>adb push Vendor*.kcm /system/usr/keychars/
1996 KB/s (17964 bytes in 0.008s)

C:\Keymap>adb reboot
  1. cd C:\Keymap
    カレントディレクトリを C:\Keymap にする
  2. adb root
    root 権限にする
  3. adb remount
    R/O でマウントされているディレクトリを R/W で再マウントする
  4. adb push Vendor*.kl /system/usr/keylayout/
    *.kl ファイルをコピーする
  5. adb push Vendor*.kcm /system/usr/keychars/
    *.kcm ファイルをコピーする
  6. adb reboot
    端末を再起動する

複数のキーボードを登録する機会があるのであれば、バッチファイルを用意しておくといいでしょう。

@echo off
cls
adb root
adb remount
adb push Vendor*.kl /system/usr/keylayout/
adb push Vendor*.kcm /system/usr/keychars/
adb reboot
pause

キーマップファイルのある場所に置いて実行して下さい。


方法2: ES ファイルエクスプローラーを使って端末にコピー

端末サイドで作業を行いたいのであれば、ES ファイルエクスプローラー を使う方法があります。ES ファイルエクスプローラー自体の使い方は Google 先生にお尋ねください

  1. ES ファイルエクスプローラー で "Root エクスプローラ" を ON にする。
  2. "Root エクスプローラ" をクリックし、"R/W マウント" を選択する。
  3. /system の R/W にチェックを入れ [OK] を押す。

これでキーマップファイルを /system 以下にコピーできるようになりました。コピーの方法ですが、

手段は他にもイロイロあります。コピーが終わったら、ES ファイルエクスプローラー で RO マウントに戻してから端末を再起動してください。


コピーしたキーマップファイルの VID / PID が間違っていなければ、端末再起動後に日本語キーボードが使えるハズです。また、日本語キーマップファイルの導入により、〔Windows〕 キーが〔ホーム〕キーとして機能するようになります。

別の日本語キーボードが使いたくなった場合には VID / PID を調べてキーマップファイルをリネームしてください。なお、MS-01 が標準で持っている HID キーマップファイルには以下の様なものがあります。

ゲームコントローラのキーマップファイルは既存のものを参考にして作るといいでしょう。



タッチスクリーンを使いたい

この Tips を行うには端末の Root 化が必要です。

MS-01 を普通のディスプレイや液晶テレビに接続して使うとタッチ操作ができないのでマウスを接続する必要がありますが、実は Windows 用のマルチタッチディスプレイを使う事もできます。

テストに使用したディスプレイは GREEN HOUSE GH-JTJ223GSHB です (現行型番は GH-JCJ223GSHLB)。タッチスクリーンは VID=0408, PID=3001 なので、Quanta Computer 社の Optical Touch Screen が使われているようです。

IDC (Input Device Configulation) ファイルの準備

  1. IDC ファイルをダウンロードする。
  2. 任意の場所に解凍しておく。
  3. タッチディスプレイを PC に繋ぎ (タッチスクリーン用の USB ケーブルも)、ベンダー ID (VID) とプロダクト ID (PID) を調べる (調べ方は ADB ドライバ の項を参照の事。USBView を使う方法もある)。
  4. 解凍した IDC ファイルを VID / PID を元にリネームする。例えば、VID が AABB で PID が CCDD の場合、ファイル名は
    となる。
  5. このファイルを実機の /system/usr/idc/ へ転送する。

*.idc ファイルの中身はたった二行しかありません。

touch.deviceType = touchScreen
touch.orientationAware = 1

詳細は "Input Device Configuration Files (android.com)" にて。

転送方法は "日本語キーボードを使いたい" と同様です。正しくタッチスクリーンデバイスが認識されると、パンやフリック、ピンチインピンチアウト等スマホやタブレットで行える操作が普通に行えるようになります。なお、IDC ファイルを転送せずにタッチスクリーンを接続した場合には、ノート PC のタッチパッドのような動作になります (イラッとします)。



シリアルコンソール (UART) を使いたい

内部構造 の所にも画像がありますが、MS-01 の基板上には UART 用のパターンがあります。

ここに UART <-> USB コンバータを接続してやればシリアルコンソールを使う事ができます。


端末の改造

改造に必要なものは以下の通りです。

要は以下のように結線できればいい訳です (コンバータのピンアサインはちゃんと調べてから結線してください)。

TXD と RXD をクロスで結線するだけです…お手軽ですね。

MS-01側 コンバータ側
TXD RXD
RXD TXD
GND GND

私は直接結線せず、ジャンクの CD-ROM オーディオケーブル (ピンアサインを変えてあります) を使いました。

後処理として、

を行ってあります。ポリウレタン被膜線の固定はエポキシじゃなく瞬間接着剤でもいいのですが、基板が白く濁ったりするのがイヤだったのデス。なお、ハンダ付けの手法やポリウレタン被膜線の扱い方については、当方素人ですからここには書きません。誤った情報を載せるのは本意ではないので…あしからず。


ドライバのインストール

ドライバはコンバータに合わせて以下から DL してください。

ドライバをインストールし、コンバータ (のみ) を PC に接続するとデバイスマネージャで以下のように表示されます。

認識されたポート番号を控えておいてください。今回は COM17 で認識されているようです。


シリアルコンソール

putty-gdi (ICE IV) を使って接続してみます。

  1. コンバータ と PC を USB 接続。
  2. PuTTY を以下のように設定する。
  3. [開く] ボタンを押して、待機状態にする。
  4. MS-01 を USB ケーブルで繋いで電源を入れる。

ちゃんと結線できていれば以下のような感じでメッセージが流れていきます。

起動時からのメッセージを読めるので、トラブルの際には重宝するかもしれませんね。

welcome to lk

MEM FREQ : 530MHz
fb_cfg base:0x820548f0 xres:320 yres:240 bpp:32
tcclcd_image_ch_set lcdc:0 lcdc_ch:0 pRDMA:0x72000400
platform_init()
target_init()
emmc_boot_main:init start from eMMC
[ ksjung ] Response : 920
[PARTITION :       boot] [START :         32] [SIZE :      20480] [TYPE :  0]
[PARTITION :     system] [START :      20512] [SIZE :     614400] [TYPE : 83]
[PARTITION :   userdata] [START :     634912] [SIZE :    2048000] [TYPE : 83]
[PARTITION :           ] [START :    2682912] [SIZE :    5057504] [TYPE :  f]
[PARTITION :      cache] [START :    2682944] [SIZE :     307200] [TYPE : 83]
[PARTITION :   recovery] [START :    2990176] [SIZE :      20480] [TYPE :  0]
[PARTITION :     kpanic] [START :    3010688] [SIZE :      10240] [TYPE :  0]
[PARTITION :     splash] [START :    3020960] [SIZE :       8192] [TYPE :  0]
[PARTITION :       misc] [START :    3029184] [SIZE :       2048] [TYPE :  0]
[PARTITION :        tcc] [START :    3031264] [SIZE :       2048] [TYPE :  0]
[PARTITION :       data] [START :    3033344] [SIZE :    4707072] [TYPE :  b]
lcdc_io_init_hdmi LCDC NUM:1
hdmi_phy_reset  phy_status:0
hdmi_phy_reset phy_status:0 regl:0x05900008
hdmi_phy_reset phy_status:1 regl:0x05900008
hdmi_phy_reset phy is ready
fb_cfg base:0x820548f0 xres:320 yres:240 bpp:32
tcclcd_image_ch_set lcdc:1 lcdc_ch:0 pRDMA:0x72000800
Diplay initialized

kernel  @ 80008000 (6772132 bytes)
ramdisk @ 81000000 (558733 bytes)

Booting Linux
...

シリアルコンソールなので、Android (Linux) が起動した後であれば、ls を入力してディレクトリ一覧を表示させる事もできます…まぁ、そこまで動作するのであれば大抵は ADB 接続できるのでしょうけれどね。なお、当方の環境だと HDMI ケーブルを接続しないとデータが化けます…ノイズが多いのでしょうかね?

…常用したいと考えた場合には、ケースの加工で頭を悩ます事になると思います (^^;A

当方の例です。コネクタを内蔵するのはスペース的に無理なのでコネクタを外に出しました (メッシュにしといてよかった)。ケーブルの片方がオスになっているのは苦肉の策です。普段はケーブルを接続しない事の方が多いハズなので、本体側にピンヘッダを出すのはなんとなく抵抗がありました。

画像で見る分には簡単に思えるかもしれませんが、シャーペンの芯程のサイズしかないパターンへのハンダ付けは難易度が高いです (仕事でやってらっしゃる方にはなんて事はないのかもしれませんが)。そして、それなりに道具が揃っていないとシリアルコンソールの引き出しは難しいと思います。なんにせよ、「失敗して壊れたらまた買えばいいか…」位の気持ちを持てないのなら改造はやめておいた方がいいでしょうね。



内部ストレージをバックアップしたい

MS-01 はディスプレイもバッテリーもないので、壊れそうなものと言えば書き換え回数に限度のある内部ストレージくらいのものです。内部構造の所にも書きましたが、MS-01 の内部ストレージは microSDHC カードなので、分解が必要ですがバックアップが簡単に取れます。

内部ストレージのバックアップを取ってあれば microSDHC カードが物理的に壊れていない限り復旧する事ができます。イロイロいじるつもりなのであれば、壊しちゃう前にバックアップだけは取っておいたほうがいいでしょうね。Linux で dd コマンドを使ってバックアップするか、Windows であれば DD for Windows を使うといいでしょう。

使い方は説明するまでもない位に簡単なのですが、一応書いておきます。

[バックアップ]

  1. 任意のカードリーダに MS-01 の内部ストレージ用 microSDHC を挿入する。
    カードリーダは 100円ショップに売ってあるものでも大丈夫ですが、よく壊れます (^^;A
  2. DD for Windows を起動する。
    Windows Vista 以降で UAC が有効の場合には右クリックして [管理者として実行] を行う必要があります。
  3. パスとファイル名を任意に入力する。
    ファイル名の拡張子は *.ddi にしておくといいです。
  4. [》読み込み》] ボタンを押してバックアップを開始する。

[リストア]

  1. 任意のカードリーダに MS-01 の内部ストレージ用 microSDHC を挿入する。
  2. DD for Windows を起動する。
  3. [ファイル選択] ボタンを押してバックアップファイルを選択する。
  4. [《書き込み《] ボタンを押してリストアを開始する。

…さて。バックアップファイルをオリジナルの microSDHC カードにリストアするのは全く問題ありませんが、別の microSDHC カードへのリストアは失敗する事が多いと思います。手持ちの 4GB と 16GB の microSDHC カードへリストアしても動作しませんでした。シリアルコンソールで調べてみましたが、システムのロード自体に失敗しているようで、シリアルコンソールには何も表示されませんでした。

ちなみに Linux で (GNU) ddrescue も試してみましたが、結果は同じでした…軽く調べた限りでは、Telechips の起動メディアには隠しセクタとコンフィギュレーションセクタがあり、コンフィギュレーションセクタは最終セクタに存在するようです…つまり、同じ 4GB でも、微妙に容量の少ない microSDHC カードだとリストアに失敗するっぽいですね。容量の大きい microSDHC を使うと、今度はコンフィギュレーションセクタが最終セクタに位置しない、と。そして、そもそも定数 gMAX_ROMSIZE_SD がサイズ固定でコンパイルされていると思われるのでどうしようもないのではないかと (CRC とかあるみたいだし)。

参考までにオリジナルの内部ストレージ用 microSDHC カード (4GB) のジオメトリ情報を書いておきます。(推測が正しければ) 理屈的に容量が 3965190144 バイトの microSDHC カードでないとリストアに失敗するのではないかと思われます。

ディスク /dev/sdb; 3965 MB, 3965190144 バイト
ヘッド 1, セクタ 62, シリンダ 124911, 合計 7744512 セクタ
Units = セクタ数 of 1 * 512 = 512 バイト
セクタサイズ (論理 / 物理): 512 バイト / 512 バイト
I/O サイズ (最小 / 推奨): 512 バイト / 512 バイト

確認のために内部ストレージに使われている microSDHC カードと同一製品だと思われる SanDisk microSDHC カード 4GB (Class 4) を購入してみました。こちらはバックアップファイルからのリストアでなんなく動作しました。ただ、こうしてリストアしたものが "オリジナルと全く同じか?" といえばそうではなく、シリアルコンソールの表示結果を見る限り microSDHC カード認識部分に微妙な差異があります (全く同一のカードではなかったという事でしょうか?)。

物理的なバックアップメディアが欲しいのならオリジナルと同じ microSDHC カードを確保するのが一番手っ取り早くて確実なようですね。microSDHC カードは偽造品が多く出回っています。最悪、コピー品なら動作するかもしれませんが、別のカードのリマーク品だったりすると動作しないと思われます。microSDHC カードを購入したら、バイト単位で容量をチェックしてください。



ここにある情報が役に立って、「調べる手間が省けたからオマイに飯でもおごってやるよ」 というハートウォーミングな方がいらっしゃいましたら、下のボタンからどうぞ。

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