・Pascal
ニクラウス・ヴィルトによって 1970 年に書かれたプログラミング言語の事。
・クラシック Pascal (Classic Pascal)
規格化される前の初期の Pascal の事。オリジナルは CDC 6000 シリーズで動作していた。PASCAL (原書第 2 版) (ISBN: 456300782X) が詳しい。
・Pascal-P
Pascal 言語のサブセット (P-CODE コンパイラ)。最初の PASCAL-P は 1972~1974 頃にチューリッヒ工科大学で作られた。P1, P2, P3, P4 がある。
・Pascal-S
1975 年にニクラウス・ヴィルトによって書かれた Pascal 言語のサブセット (インタプリタ)。
・UCSD Pascal
1978 年にカリフォルニア大学サンディエゴ校で開発された、Pascal-P2 から派生した Pascal (P-CODE コンパイラ)。Ver III は Western Digital 社のためのカスタムバージョンで、同社の Pascal MicroEngine は直接 P-CODE を解釈できるプロセッサだった。unit の概念や String 型は UCSD Pascal から。
・UCSD p-System / UCSD Pascal System
UCSD p-System は OS で、P-CODE を解釈する。
・標準 Pascal (Standard Pascal)
ISO/IEC 7185:1983/1990 準拠の Pascal の事。クラシック Pascal を規格化したもの。規格化される前の標準 Pascal とはクラシック Pascal の事だった。PASCAL 原書第 4 版 (ISBN: 4563014664) が詳しい。
・J&W
キャスリン・イェンゼン (Kathleen Jensen) とニクラウス・ヴィルト (Niklaus Wirth) によって書かれた PASCAL 言語についての書籍 「Pascal User Manual and Report」 の事。4 つの版があり、初版は翻訳されていない。初版 (1974) と 2 版 (1978) はクラシック Pascal 準拠となっており、3 版 (1984) と 4 版 (1991) は標準 Pascal 準拠となっている。日本語訳は「PASCAL (情報処理シリーズ 2)」。
・PASCAL-P5
ISO/IEC 7185 水準 0 準拠の Pascal-P (P-CODE コンパイラ)。標準 Pascal のフルセットを厳格に実装している。
・Apple ]['s Pascal
UCSD Pascal / p-system のライセンスを取得し、Apple が作った Pascal (P-CODE コンパイラ)。識別子を 8 文字までしか認識しないという制限がある。
・Apple ///'s Pascal
Apple が作った Pascal (P-CODE コンパイラ)。
・Apple Pascal Operating System
OS。Apple による p-System。
・Apple Lisa's Pascal
Silicon Valley Software 社の 68000 用コンパイラをライセンス取得したもの。ネイティブコードコンパイラで、ベースは Pascal-P4 コンパイラ。ここに Apple が Apple II / III Pascal の拡張を導入している。LongInt や @ 演算子は Apple Lisa Pascal 由来。Pascal MicroEngine のような P-CODE を解釈するカスタムプロセッサの開発が計画されたが見送られた。
・Turbo Pascal
1983 年に Ver 1.0 が発売された Borland 社の Pascal。1987 年の ver 4.0 で、uses 句が導入された。1990 年の ver 5.5 以降は Object Pascal。上位バージョンに Borland Pascal がある。前身は Poly Data 社の BLS Pascal (1981), Compas Pascal (1981), Poly Pascal (1983)。
・Apple Lisa's Clascal
Lisa Pascal に Simula と Smalltalk のオブジェクト指向を参考にクラスの導入を行った Pascal。言語としては Object Pascal ではないが、オブジェクト指向言語ではある。
・Apple Machitosh's Pascal
Machitosh 向けのソフトウェアは、当初 Lisa でクロスコンパイルされていた。Lisa Workshop はLisa 用の統合開発環境で、Machitosh 向けのコンパイラは Lisa 向けの Pascal の移植版だった。
・Apple Machitosh Object Pascal
Machitosh のセルフ開発環境である Macintosh Programmer's Workshop(MPW) 用の Pascal は MPW Pascal と呼ばれた。言語としては Clascal 由来の Object Pascal である。識別子を 63 文字まで認識するようになった。後に Object Pascal は言語名にもなる。
・Macintosh Pascal
1984 年に Apple が販売した Machitosh 向けの Pascal インタプリタ。開発は Think Technologies (後に Symantec に買収される)。コンパイラ版は MPW の Object Pascal 拡張を取り入れた Lightspeed Pascal (1986) で、後の Think Pascal (1987)。
・Mac Pascal
言語としての Object Pascal と、製品としての Apple Object Pascal (MPW Pascal) を混同しないよう、(後で) Apple Object Pascal に付けられた名前が Mac Pascal だが、Macintosh は Mac と略されることが多いので、MPW Pascal の事を言っているのか、Macintosh Pascal を略して言っているのか判断できない事がある。このワードを見かけたら文脈に注意しなければならない。
・拡張 Pascal (Extended Pascal)
ISO/IEC 10206:1991 準拠の Pascal の事。
・Pascal へのオブジェクト指向拡張 (Object-Oriented Extensions to Pascal)
1993 年の Pascal へのオブジェクト指向拡張。ドラフトであり、規格化されていない。
・Delphi
1995 年に Ver 1.0 が発売された Borland 社の Object Pascal。最新版は Embarcadero 社が発売している。
・ANSI 版 Delphi
Char 型が 8 ビット (AnsiChar) な Delphi。具体的には Delphi 2007 以前の Delphi。
・Unicode 版 Delphi
Char 型が 16 ビット (WideChar) な Delphi。具体的には Delphi 2009 以降の Delphi。
・GNU Pascal (GPC)
様々な Pascal の機能を実装している Pascal。標準規格寄りで、拡張 Pascal の殆どの機能が使える。Ideone.com でテストする事ができる。
・Free Pascal (FPC)
様々な Pascal の機能を実装している Pascal。出自が Turbo Pascal のクローンなので、商用 Pascal 寄り。Ideone.com でテストする事ができる。IDE として Lazarus がある。
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