歴史的な話をすると Interbase 6.0 が Open Edition というオープンソースになった時に別実装として作られたのが Firebird で、
Firebird 1.0 = Interbase 6.0
です。その後 Interbase は商用に戻り、それぞれ独自の道を歩む事となりました。つまり、Firebird は Interbase 6.0 からのフォークという事になります。Interbase には幾つかの種類がありますが、それについては別トピックに記述があります。
[Interbase (Delphi Forum)]
http://ht-deko.minim.ne.jp/delphiforum/?vasthtmlaction=viewtopic&t=882.0
ここで問題 (混乱) の元となるのが Firebird と Interbase のエディションについてです。以下に Firebird と、それと同等の Interbase の対比を書いてみたいと思います。
[Firebird SuperClassic Server / Super Server / Classic Server]
Interbase Server Edition がこれに該当します。C/S 接続が可能で、TCP/IP 接続が可能です。
[Firebird Embedded Server]
Interbase To-Go Edition / IBLite がこれに相当します。To-Go Edition は有償です。IBLite は Delphi 等の開発ツールにライセンスが付属している事があり、Firebird とは異なりモバイルにも対応しています。
Firebird に存在しないエディションとして Developer Edition と Desktop Edition があります。
[Interbase Developer Edition]
開発者がテスト目的で使える Interbase です。無償で利用できますが配布はできません。また、48h で接続が切れます。テスト用途なので、TCP/IP 接続もできます。
[Interbase Desktop Edition]
有償かつスタンドアロン (一台) で使うための Interbase です。ループバック接続を含む TCP/IP 接続はできません。古い Delphi にはテスト用にこれが付属していました。
Firebird と Interbase の情報はある程度共有できるのですが、当然ながら違いもあります。Firebird を使っていて、Interbase にしたいと思った場合には、まず "どのエディションが必要なのか?" を吟味しましょう。簡単に言えば C/S or TCP/IP 接続で使うなら "Server Edition" 一択という事になります。
本当は TCP/IP 以外のローカル接続もあるのですが…
これは Interbase Desktop Edition に見られるローカル接続の事を言っています (Firebird にもありますが)。この "ローカル接続" は TCP/IP によるループバック接続ではなく、Interbase サーバーアプリケーションとのプロセス間通信の事を指します (ひとつ上のトピックにある "ローカルサーバ&ローカル接続" を参照の事)。サービスではなくプロセス間通信なので、事前に Interbase サーバーアプリケーションを起動しておく必要があります。
Interbase Desktop Edition と Interbase To-Go Edition の違いがハッキリしないと思われるでしょう。両者の用途はほぼ同じですが、動作原理が異なります。Desktop Edition はプロセス間通信によるローカル C/S (Windows のみで動作) であるのに対し、To-Go Edition は完全なスタンドアロン環境 (Windows / OS X / iOS / Android 対応) です。前者は TCP/IP 接続はしないものの、ローカルサーバを起動する必要がありますが、後者はクライアントモジュールだけで動作します。
See Also:
[InterBase 製品エディション (Embarcadero)]
http://www.embarcadero.com/jp/products/interbase/product-editions
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